社会

お酒とホテル=合意の成立!? 「法的にセクハラにならない口説き」でも、女性部下は「NO」と言えるか

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 最もまずいのは、最後の段落だ。事前に二部屋を予約しておいたホテルに二人でチェックインすることになった場合、「チェックインする前に、一緒に近隣のコンビニでお酒を買う」ことが勧められている。それは「一般的に、2人でホテルの同じ部屋に入り、そこで一緒に買ったお酒を持ち込むという行為は、『合意の成立』を確認する重要な判断要素となる」からであり、「後になって女性が態度を豹変し、密室で同意なくセクハラを受けたと主張した際に、コンビニの防犯カメラの映像や、手元に残ったレシートは、『合意の成立』を立証する客観的根拠となる」ためだ。

 これはおかしい。2人でホテルの同じ部屋に入ろうが、一緒に買ったお酒を持ち込もうが、だから相手が「セックスしてもいい」と言ったことにはならないので、セックスの合意が成立したことにはならないのではないか。しかしこれまで、いざ被害女性が強姦や準強姦を訴えても「合意があった」ことにされてきた判例があることも事実で、法的には「一緒にお酒を買い、ホテルの同じ部屋に入る」ことが合意の成立だとみなされてしまうのだろう。ここでまた、最初の問いに戻る。

 男性上司が「仕事にかこつけず」、女性部下を食事に誘い、複数人で食事をしてから2軒目で二人きりになる。上司は「あわよくば」の意思を部下に伝えている。上司はホテルの部屋を予約しているという。そのとき、部下はハッキリ「NO」と言うことが出来るのだろうか。密室ではなく一般のレストランのようなオープンな場所だからといって、女性部下に「逃げ道」はあるのだろうか。上司と部下というパワーバランスがある時点で、相手にとってはすでに「断りづらい状況」が出来上がっている。「断れない」ことと「合意」は異なる。たとえこれが法律的に「セクハラにならない」としても、勧めていいものなのだろうか?

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