社会

「スカートを履いているからいけない」性暴力被害に遭った私に押し付けられる“枠”と、セカンドレイプが起きる理由

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「スカートを履いているからいけない」ーーそう親しい人に言われたこともありました。友人は私のことが心配だから自衛をしてほしかったのだったと思いますし、私もその友人を責めたくはありません。しかしこれは「どんな状況で被害が起きるか」も「それが本当に自衛になるのかどうか」も知らないまま、被害者に責任を求めていることになります。

 セカンドレイプは思いやりの問題だと思っている人は多いと思います。しかし、自分が受けたセカンドレイプを振り返ってみても、セカンドレイプをしてしまう人は性犯罪に関しての知識がなくイメージで語っているのであって、そこに悪気がない例がほとんどです。

 いきなり性犯罪をなくすのは難しいかもしれない。でも性犯罪について知ってもらうことで、少なくとも悪気のないセカンドレイプをなくしていくことはできるかもしれない。それがなくなることで、悪意のある中傷のセカンドレイプをしにくい空気が生まれ、性犯罪をしにくい社会にもつながるんじゃないか。

「セカンドレイプをなくしたい」ーーそれが活動当初からの私の軸でした。

実名と顔を出して発信をはじめる

 そして当時、被害を顔と名前を出して公表していた小林美佳さんの著書『性犯罪被害にあうということ』(朝日新聞出版社)にたどり着いたのです。「経験を発信することで社会を変える、という方法があるのか!」と衝撃を受けました。そして「知らない人が多いからこそ、経験を発信すれば被害の現状を理解してもらうことにつながるんじゃないか」そう思い、まず私は自分の実名と顔を出して被害の経験をブログで公開しはじめました。

 私はもともと人前に出ることにも発信することにも慣れていましたし、また、珍しい名字のため少し検索すれば実在する人間だとすぐわかります。私の黒歴史まで出てくることでしょう(笑)。自分の名前と顔を出したのは、「生きている人間だ」ということ、そして「被害に遭ったことは隠さないといけないことじゃない」と示したかったから。そこから8年間、NPOに所属したり個人で動いたりして支援や啓蒙活動を続けています。

新しい自分の歴史をつくる

 知識がないこと、ふだん触れる機会がないことに関しては特に、イメージで作り上げた枠を人に押し付けがちです。自分と違うものに対して「普通という枠から外れた行いをしている」と決めつけやすいのです。そして枠の中に押し込められて抜けられなくなったり、逆に枠から外れてしまって途端に生きづらくなったりして、苦しんでいる人たちがたくさんいます。セカンドレイプもそのひとつで、内容によっては取り返しがつかないほどに人を傷つけます。

 枠は、その人が生きてきた歴史です。枠を押しつけてしまう前に、まずは知ろうとすること、そして対話してみること。そんな機会を作ることが、どんな枠を自分が持っているのかを知り、新しい自分の歴史を作る一歩なのではないかな、と思っています。

 今回はセカンドレイプから感じた、知らないことにより生まれる枠についてお話しました。次回は実際に活動するなかで感じた被害者のドレスコード(枠)についてと、問題を切り分けて好きな服(ハッシュタグ)で生きていくことについて考えます。

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