
Photo by Jason Jacobs from Flickr
無印良品(株式会社良品計画)が7月18日に、公式Twitterアカウントにて『「女性同僚が脇汗をかいていたらどう思うか」という質問を男性にしたところ、「清潔感がない」などの回答が上位を占めたとか。夏本番の今回は、気になる汗やそのニオイについて考えてみましょう。くらしの良品研究所から「汗の季節」、お送りします。』とツイートしたことに対し、批判の声が向けられている。
このツイートに寄せられた一般ユーザーのリプライ(返信)は辛辣だった。「無印まで消費者に強迫観念を与えるなんて」「残念な気持ちになった」「無印良品は他者の目線より自分の快適さを大事にさせてくれると思っていた」……。批判というより、失望の声が多く目に付く。流行・個性よりもシンプル・ナチュラルかつ機能性重視、レディースファッションも「女性らしさ」「色気」を強調せずクセのないものを提供しているイメージのある無印がなぜ……と。
確かに無印良品のツイートにある『「女性同僚が脇汗をかいていたらどう思うか」という質問を男性にしたところ、「清潔感がない」などの回答が上位を占めたとか。』という文面は、女性を煽る脅し広告を踏襲しているようでもある。しかし、当該ツイートが誘導するリンク先である公式サイト「MUJI.net」内の「くらしの良品計画所」コーナーに掲載したコラム「汗のニオイ」を読んでみると、件のツイートとはだいぶ違う印象を受けた。
当該ツイートは、コラム序文を引用したものだった。序文は、以下の通り。
ある調査で、「女性同僚が脇汗をかいていたらどう思うか」という質問を男性にしたところ、「清潔感がない」「信用できない」といった否定的な回答が上位を占めたとか。このことはテレビ番組でも紹介され、物議をかもしたので、ご記憶の方もあるでしょう。「頑張っているなと思う」という好意的な回答は、5位でやっと登場。こうした「世間の目」もあってか、汗ジミやニオイに悩む人も少なくないといいます。夏本番の今回は、気になる汗やそのニオイについて考えてみましょう。
「ある調査」とは、2017年5月31日放送の『あさイチ』(NHK)での「女のニュース 私ってスメハラ?気になる『ワキ汗』」にて紹介されていた、「男性500人に聞いた『女性同僚がワキ汗をかいたらどう思うか』(ユニクロ調べ)」のことだろう。ユニクロが男性500人に、『女性同僚がワキ汗をかいたらどう思うか』をアンケートしたところ、このような結果が出たと紹介されたのだ。
(1位)清潔感がない
(2位)信用ができない
(3位)生理的に受け付けない
(4位)周りへの配慮ができなそう
(5位)「頑張っている」と思う
井ノ原快彦は「このランキング自体が信用できないよ。汗をひっこめるTシャツなんか出しているユニクロが出しているものでしょ」と、あくまでも販促PRとしてのランキングであることを指摘。有働由美子アナは「そんな男性こっちから願い下げ。周りへの配慮ができなそうって……。アンタの方こそ配慮ができないヤツだと思いますけどね」と発言していた。
さて、では無印良品も「世間の目」に対して疑問を抱いていないのか、女性は男性の視線を意識して脇汗に気をつけるという考えなのか、というと、そうではない。
コラム本文では、「汗をかくのは自然なこと」「そもそも、汗は体温調節をするための重要な役割を担っています」「汗腺を持つ人間が汗をかくのは、ごくあたりまえのこと」と繰り返し、「スメルハラスメントという言葉が生まれるほど、ニオイに敏感な時代。汗対策を謳ったグッズはどんどん進化していて」、それゆえ制汗グッズを使用する際には注意が必要なこと、「昔と比べて”汗の質”が変わってきている」ことなどを専門家の見解を伝聞するかたちで伝え、「病気が潜んでいる場合は別にして、そんなにニオイを気にする必要はない」と説明している。
「周囲への気遣いはたしかに大切ですが、周りの目を気にし過ぎる社会はどこか窮屈。そしてそれは、いま話題の『忖度(そんたく)する』社会の空気にも通じるような気がしないでもありません。みなさんは、汗や汗のニオイについて、どう思われますか?」と、読者に対する問題提起で締めくくっている。
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