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鈴木保奈美の静かなる返り咲き! その冷たい美しさ

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 『東京ラブストーリー』は、帰国子女の赤名リカが永尾完治(織田裕二 注:完治/カンジを音読みにしたあだ名がカンチ。リカ限定のあだ名です)をひたすら追いかけて、付き合うことになります。ただ純日本人気質の真面目なカンチは、リカの自由奔放さと強さに翻弄されて、ラストには控えめ(ぶった)関口さとみ(有森也実)を選んで、2人は別れるという意表を突いたラブストーリー。小田和正が歌う『ラブストーリーは突然に』の主題歌も印象的。

 放送当時は、男女雇用機会均等法にもまだ馴染みがなく、女性が第一線で働くことは稀有な上に、世のご両親は娘が結婚するまで処女説を信じていたはず。でも、そんな信仰をぶった斬ったのが、このドラマなのです。

 帰国子女も珍しかった時代に、自分の欲望をあっけらかんと主張する赤名リカ。その姿勢に、世の女性たちは憧れを超えて、教組様のような存在を見出していたはず。あの皇太子妃・雅子様もレンタルビデオを借りて見たという本作を踏み台に、鈴木保奈美はトレンディ女優へと進んでいきます。

 『愛という名のもとに』(1992年)、『この世の果て』(1994年/ともにフジテレビ系)を始め、2000年までに主演を果たした作品はざっと20作以上。もちろんCM出演も多数。その人気は日本を飛び越えてアジアにも普及するなど、世間は鈴木保奈美色に染まっていくのです。

『愛という名のもとに DVD-BOX』フジテレビジョン

『愛という名のもとに DVD-BOX』フジテレビジョン

 私は、唐沢寿明、江口洋介も出演した『愛という名のもとに』にて、彼女が演じた藤木貴子役が好きでした。真面目で曲がったことのできない進学校の教師。でも友人・チョロ(中野英雄)の自殺をきっかけに本音を吐露するようになるのです。勉強ばかりで他人に興味を持とうとしない生徒らに教壇で叫んだセリフ、

「今、みんなは高速道路をアクセルいっぱいで走ってる! ブレーキを踏んだら置いていかれる不安で、どんなに眠くても脇目もふらずに……死んじゃうわよ」

 未だに忘れません。完コピをしてクラスでモノマネをするほどハマっておりました。

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