
そうそう付き合えないっすよ/画像:渡辺直美Instagramより
渡辺直美(29)が主演を務め、現在放送中のTBS火曜ドラマ『カンナさーん!』の視聴率が二週連続で12%を超え好調だ。
渡辺は、吉本所属のお笑いタレントでビヨンセの物真似をきっかけに世間に知られるようになり、女性お笑いタレント・肥満体型・不潔・浪費家だけどオシャレでキュート!
という、既存の女性芸能人の枠組みにとらわれないキャラクター像を確立させたハイブリッドな逸材。
バラエティのみならずファッション雑誌からも度々お呼びがかかり、先月は『ViVi』(講談社)の表紙を飾り、写真集『NAOMI』(ヨシモトブックス)も発売され、今月に入ってからは『VOGUE』(Conde Nast Publications)のアメリカ版公式YouTubeチャンネルでメイク動画「Naomi Watanabe’s Guide to Glitter Eyes and Bold Lips」が公開された。また、インスタグラムでも相変わらず不動の人気を誇る。
▼渡辺直美のメイクテクがすごい! 工程、メイク道具を徹底解説
その渡辺が、Twitterであるネット記事に言及している。「気になるアノニュースを大調査!」するニュースサイトこと『しらべぇ』が、渡辺にまつわるアンケート調査を行ったのである。
▼『カンナさーん!』主演の渡辺直美と「つきあってもいい」男性はどのくらい?
『しらべぇ』編集部は、7月20日の記事で「全国の20代〜60代の渡辺直美を知っている男性671名に、『渡辺直美』について調査を実施」したことを発表。その結果、渡辺と「『つきあってもいい』と答えた人は16.7%。残念ながら、8割の人々がつきあうことについて否定的であるようだ」と結論付け、さらに「『渡辺直美とつきあってもいい』と回答した人には、ある特徴があった。40.0%が『自分はガリ勉だった』と回答しているのだ。その理由については不明だが、勉強に打ち込んできた人ほど、奔放に生きる渡辺直美に憧れ、『つきあいたい』と思うのかも」と推察しているわけだが、7月24日、渡辺はこのアンケート調査についてTwitter上で自らツッコみ。「え?なにこのおもしろアンケートw むしろ こちらから願い下げなんだけどw」「なんで私が好意ある設定なんだろ」、ごもっともである。
え?なにこのおもしろアンケートw
むしろ
こちらから願い下げなんだけどw
さて、明日カンナさーん!第2話の日です!是非見てください🙋 pic.twitter.com/2dmPLmA2xy— 渡辺直美 (@watanabe_naomi) 2017年7月24日
不思議なことに、『しらべぇ』記事では「渡辺直美と“つきあってもいい”」という表現が使われている。「つきあいたい」ではなく「つきあってもいい」。この表現の意味するものは何か。たとえば、「選ぶのは男性、選ばれるのは女性」という長らく強固に根付いている日本の恋愛文化、「デブは嘲笑の対象」と見なす文化、さらには「女性は品定めされるもの」という文化などが、背景に横たわっているのではないだろうか。これがもし、「北川景子と……」だったら、決して“つきあってもいい”という表現にはならなかっただろう。
一方で、女性を対象としたアンケート調査で、「木村拓哉」や「福山雅治」や「斎藤工」についてを尋ねる内容だったとしても「つきあってもいい」ではなく「つきあいたい」や「抱かれたい」の表現が使われるはずだ。「アンガールズ田中」「出川哲郎」などの場合、「つきあってもいい」が使われたかもしれない。なにしろ女性週刊誌では「抱かれたい」「抱かれたくない」アンケートが毎年実施されている。
ただ、男性から女性への目線は、ネット上でとりわけ厳しいものとして表出する。「女性芸能人に対する謎の上から目線」は匿名掲示板で文法として定着しているようで、男性(と思しき)ユーザーによる、女性芸能人に対する「ギリ抱けない」「チェンジ」といった上から目線のこき下ろしスレは「2ちゃんねる」などで常に進行しており、それが「まとめサイト」にまとめられている。そこでは北川景子でも「劣化した」「もう抱けない」と言われたり、グラビアアイドルやグループアイドルのメンバーも勝手に画像を上げられたうえ散々文句をつけられて「チェンジ」される。現実にはチェンジの機会が訪れることなど決してないことは理解したうえで、一方的にジャッジを下すという遊びなのだろう。
平均的ではない、突出した魅力を持っている渡辺直美。彼女すらナチュラルに“下に”見てしまう勘違いな感性が育まれてしまうとしたら、そうしたお遊びもほどほどにしたほうが良いのではないだろうか。
ちなみに今回のアンケート調査の場合、そもそも「男性はデブな女性を好まない」という前提が共有されているものとして行われた、という側面も持つだろう。が、実際に、太った女性は男性に「ストライクゾーンの外」と判断されてしまう……とは一概に言えないことも補足しておく(以前別の記事https://wezz-y.com/archives/43091でも書いたが、現実には肥満体型の既婚・子持ち女性は珍しくも何ともないからだ)。