家事ダメ女が批判されること自体、性別役割分業を強化している/『踊る!さんま御殿!!』に充満する空気

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 話を『踊る!さんま御殿!!』に戻そう。番組中盤の白鳥久美子(35)の発言は、女芸人としての自虐であるにしろ、「ズボラ女子=女失格」を強烈に内面化したものと映った。

 白鳥曰く、綺麗でシュッとしていて家事が得意な女友達が結婚してプチセレブになり、仲間内で集まった際に「結婚して何か変わった?」と聞かれたその友達は、「私気づいたんだけど家事が下手な人ってブスが多い」と言ったのだという。白鳥を含め、その場にいた他の友達はみんな「顔で決めないで!」と反発。が、友達の発言が気になった白鳥はその後、独自に統計を取り始めた。その結果、白鳥は「ブス(やデブな子)は料理上手い子が多い」ことに気付いた。そういう子は料理ができるから「家事ができる」と自分で言うのだが、その子(ブスで料理上手)の部屋に行くとめちゃくちゃ散らかっていて、だから「本当に全部の家事が(まんべんなく)できない子はブスな子が多いと気づいた」と言う。

 それを受けて東国原英夫は「家事が上手い人は綺麗になっていくんだよね」、さんま「片づけたり綺麗にするのが好きになると、自分も綺麗になろうとするんちゃうか」と、家事ダメ=ブスなのではなく、家事好き=綺麗なのではと推論し、今度はそれに、かねてより無神経発言が多いことで有名な神田愛花が「でも、それを言うと(綺麗好きな)東国原さんは何でハゲちゃったんですか?」と話をズラしてこのネタはおしまいとなるのだが。

 トイレ掃除が美しい心を育むという話もあるように、家事で心身が整う系の言説は人気がある。しかし家事好き/ダメと、綺麗/ブス(デブ)の話がこのようにつながってしまうのは、家事能力や見目麗しさが“正しい女”に必須の素養とされているからだろう。なかなか下品である。

 これはテレビバラエティで、お笑い番組だ。どれだけ「テレビは衰退した」などと叫ばれても、大半のインターネットコンテンツより幅広い層に視聴されていることは間違いない。そういう場所で、ごくごく当たり前に性別役割分業の価値観を正しいものとして流していたら、そりゃあ男も女も「家事は女の仕事」と信じて疑わないだろう。

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