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30代、金融職女性が投資として「貯蓄で不動産を一括購入」を検討した結果出した、厳しい結論とは

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ーーでも『不動産格差』では、日本でも上位15%は価格維持、もしくは価格が上がる物件もあると書かれていました。1億以上の資金があれば、日本で上澄み15%の物件を購入することも可能なのではないでしょうか?

あい:うーん、でもそういった優良物件を獲得する競争も加熱しすぎているのではないでしょうか。少なくとも私が購入を検討した物件は、みるみる値段が上がってしまい……。お得な物件を探すのはむずかしいと思います。

ーーなるほど確かに競争率が高そうですね。ちなみに、あいさんは賃貸にお住まいなんですか。

あい:賃貸の方が自分に合っていると思って、そうしています。私の場合は事務所が自宅なので賃料は所得税の減税対象になるので、節税のうえで都合がよいこともあります。またライフスタイルとしても、近年は働き方改革が起こって、どこでもネットさえあれば仕事ができるお仕事も増えています。仕事を持ちつつも旅するように生きることもできる時代です。私はそういった生き方にも魅力を感じているので、一箇所に定住したいという志向はないのです。だから家を買いたいと思ったのは、あくまでも投資対象として……ですね。

不動産に投資するメリット、デメリット

ーー家を買い隊のなかでも、あいさんは群を抜いてお金の運用に詳しい方だと思うんです。そこでうかがいたいのですが、投資対象として見た不動産の特色や魅力ってどんな点でしょう?

あい:不動産は実物なので、ゼロにはなりにくい点ですね。未上場株などの金融資産は、本当に価値がゼロになってしまうこともありますから。不動産の実物資産としての価値には魅力を感じます。

ーー不動産価格が下落しても、土地の価値がゼロになるということはめったにないですよね。

あい:ただ逆にいうと不動産って読んで字のごとく動かないので、それがリスクになることもあるんですよ。たとえば隣にマンションが建ってしまったとか、築地じゃないですけれど「掘ったら何かが出てきてしまった!」とか、そういうときに、リスク回避ができないんです。そこがむずかしい点ではないでしょうか。

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 金融に詳しく資産もあるあいさんは、不動産においてもほかの人とは違う視点を持っていました。確かに彼女のように世界の市場を把握し、さまざまな手法で投資を行う元手があれば、この時期あえて日本の不動産を購入する意義は薄いのかもしれません。

 住まい方には個人差があり、市場をとらえたうえでどんな判断をするかは、それぞれの人の状況や住まいに対する志向に委ねられています。他の人の選択を参考にしながら、自分にベストな道を探したいものです。

協力:onnnaiekau_20e

(蜂谷智子)

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