サポート体制が万全でもアウティングは起きてしまう。LGBTサークルの公認は「表立った活動の基盤」

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大学とのかかわり

 今年の4月に筑波大学は「LGBT等に関する筑波大学の基本理念と対応ガイドライン」を公にしました。この文書は大学がLGBT等を支援・協力することを宣言し、セクシュアリティの面でLGBT支援に必要となる事項が明言化されています。今後改善の必要な点は出て来ると思いますが、こうしたガイドラインが発表されただけでも当事者や支援者は安心感を得られます。

 また、大学に求めることに関してはにじひろでも度々話し合っています。具体例を挙げるとすれば、一つは「教職科目や教養科目(1・2年次必修)においてジェンダーあるいはセクシュアリティを扱ってほしい」ことです。

 小学校や中学校教員の、LGBTに関する知識不足を問題視する意見は一定数あり、息苦しい思いをして悩む子どもや家族は少なくありません。その原因のひとつは、児童・生徒・家族と教員の間で生じるLGBTへの理解の齟齬であると推察しています。知識の不足した教員が、生徒の感じていること・親の伝えたいことを誤って理解してしまう場合がある現状を少しずつ改善する為に、教員を養成する「大学」に対して「講義内でLGBT等を扱う」ことを求めるのです。

 二つ目は、「目的に適った性別欄を作成してほしい」ことです。配布される提出物や授業用アンケートなどで、性別の記入を必須事項としないでほしいという声は、サークル内外問わず多く挙げられています。これは何も、全ての書類で性別記入を不要とするべきという意見ではありません。性別情報が必要でないものに関して変更を求める意見です。筑波大学では、ガイドラインの制定以前から性別欄を極力外すようにされていますが、そこには性のあり方が男女二元論ではないということだけではなく、性別・セクシュアリティは個人を形成する要素のひとつに過ぎないのだという考え方が含まれています。

認可のメリット

 2015年に一橋大学で痛ましい事件が起こってしまいました。今後同様の事件が起こる可能性を少しでも減らすことができるよう、セクシュアリティに関する面で分かち合える・相談できる公認の居場所を大学に増やしてほしいと思います。

 大学に存在する「自分の居場所」はこころのバランサーという役割をもちます。居心地のよい「自分の居場所」は、ささくれだった感情や浮き沈みする気持ちの振れ幅を小さくし、心に余裕を持たせてくれる、精神衛生を保つことのできる環境になります。

 同じ講義を履修する学生からLGBTに対する差別発言を耳にしたり、好きな人との関係で悩んでいたり、自分の気持ちを言葉にして表すことで冷静になれたり、反省したりすることができます。また他者の意見や悩みを聞くことで、共感したり新たな解決策や選択肢を見つけたりすることもできます。LGBTサークルは当事者にとってのそうした「自分の居場所」になりえるものです。

 また、公認サークルとして認可されることで、団体が活動する幅は縦にも横にも大きく広がります。また、共感や相談の面だけでなく、どのような活動をしているかという信頼性や、長くアクションを起こしていく継続の面でも、「公認」という要素は大きな役割を果たします。大学のLGBT団体は自分たちだけで活動を完結しようとは思っていないはずです。社会において支援者を増やすこと、また他大学や地域などへのアウトリーチも考えていると思います。

 我々は、東京福祉大学のサークルの起こしたささやかなアクションが、結果として大学に大きな意味をもたらす可能性は高いと考えています。大学と公認サークルの二人三脚によって、これから入学する学生や勤務する教職員を支えてほしいと心より願っています。
(筑波大学LGBTQAサークル代表:もちょ)

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