
『ラブジェネレーション Vol.1』フジテレビジョン
木村拓哉さんの出演した“月9”作品を辿っていく『キムタ9』。3回目は1997年放送の『ラブジェネレーション』を回想したいと思います。
いや~、当時『ラブジェネ』のスタートを世間がどれだけ待ち焦がれていたことか。木村さんは同枠放送『ロングバケーション』(1996年)で人気に焦げるほど高温度の火がついて、一大キムタクブームを起こしていました。所属していたSMAPも、1992年に名古屋で開催されたライブで客席がガラガラ……という不遇の時代を経て、日本を代表するアイドルグループに成長していたのです。
その間、木村さんは他枠のドラマには多数出演していますが、私たちはやっぱり“月9”のキムタクが見たかったのです。それこそ『キムタ9』ロス。では、当時の同枠最高記録(後に『HERO』が更新しました)、全話平均視聴率30.8%を叩き出した超絶人気ドラマ『ラブジェネ』をどうぞ。
三歩進んで二歩下がる哲平と理子の関係にジリジリ
“広告代理店で働く片桐哲平(木村)は、クリエイティブ部からいきなり営業部に異動を命じられる。さらに未練を残していた元カノ・水原さなえ(純名里沙)が実兄(内野聖陽)と婚約したことを知り、非常に面白くない日々に。そこに現れたのは、同じ部署のいわゆる腰掛けOLの上杉理子(松たか子)。どこか似た者同士の2人はだんだん心を通わせてカップルに。でも順風満帆には行かない恋で…。”
25歳と同い年なこともあり、同僚として仲の良かった二人ですが、いい大人なのになかなか素直になれません(特に理子)。
「恋にジリジリする」「怖くて告白なんかできない」とティーン雑誌の恋愛特集のようなフレーズですが、大人もこんな気持ちを抱えていた20年ほど前。でも、20代も半ばに差し掛かると大人扱いされる厳しい時代でした。なかなか表には出せなかった本心を、二人が代弁してくれていたのです。親からは「結婚しろよ」とプレッシャーをかけられようとも、気持ちは『mc sister』(婦人画報社/現:ハースト婦人画報社)を読む女の子だった私たちにとって、『ラブジェネ』はまさに救世主のようなドラマでした。