
欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』
7月19日に発売された欅坂46の1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』のリード曲『月曜日の朝、スカートを切られた』の歌詞が批判を集めた。作詞はもちろん、欅坂46の総合プロデューサーである秋元康だ。
特に問題となっているのが、楽曲のサビの部分。
<月曜日の朝、スカートを切られた
通学電車の誰かにやられたんだろう
どこかの暗闇でストレス溜め込んで
憂さ晴らしか
私は悲鳴なんか上げない>
この歌詞に対して、実際に過去に満員電車でスカートを切られた経験があるという女性が「この曲をテレビで紹介しているときに嫌な思い出が蘇り電車に乗るのがまた怖くなりました」と抗議の声をあげ、ネット署名サイト「change.org」に「【欅坂46】月曜日の朝、スカートを切られた の曲で傷つく人が増えないようにしたい。」というページを作成。7500人を超える賛同者の署名を集めている。
秋元康の歌詞といえば、昨年5月に、HKT48のシングル『74億分の1の君へ』のカップリング曲としてリリースされた『アインシュタインよりディアナ・アグロン』がの炎上騒動が記憶に新しい。
ディアナ・アグロンとは、アメリカのドラマシリーズ『glee』に登場する美人チアリーダーのクイン・ファブレーを演じた女優の名前。実際の同ドラマは、合唱部を物語の中心に歌やダンスがたくさんでてくるポップな学園ドラマではあるが、人種差別やいじめ、同性愛、摂食障害など社会問題が多く描かれている。そんな作品だからこそ『glee』のファンから、「難しいことは何も考えない 頭からっぽでいい」「女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい」「女の子は恋が仕事よ、ママになるまで子供でいい」といった、おっさん目線で描かれた独善的な歌詞に対して、「女性蔑視的だ」と大いに批判されてしまったのである。
▼「女の子」を愚弄した秋元康を<断罪>する 『glee』が私たちに教えてくれたこと
だが、秋元康の過去の仕事を並べてみれば、これらの歌詞は通常営業。そもそも秋元の代表作でもあるおニャン子クラブの『セーラー服を脱がさないで』から、サビは『ちょっぴり怖いけど/バージンじゃつまらない/おばんになっちゃうその前に/おいしいハートを食べて』だった。秋元自身としては「なにを今さら」と不思議がっているのではないだろうか。
小学生も「性的対象」として歌唱する
1993年に秋元康が監修をつとめたバラエティ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(この番組タイトルもヒドいが…)内の「セクシー小学生コンテスト」の出場者で結成されたねずみっ子クラブの『ねずみ算がわかりません』では、さすがに“バージン”のようなわかりやすい表現はセーブはしているものの、それでも<パパやママの頃と 時代が違うのよ 歳の数より 育ち過ぎた スリーサイズ><その気にさせて ごめんなさい/もう少しだけ 我慢してね>。これを小学生に(しかもセクシー小学生。女子小学生が明らかに性的対象とされる時代だった)歌わせて、当時は何も批判されなかったのに、どうして今こんなに反発されるのか……秋元康はわからないかもしれない。
また、秋元康のプロデュースで2001年に大々的にデビューした女子中学生二人組アイドルの推定少女は、超ミニスカ制服でパンチラを連発、2003年にリリースした『鍵が開かない』のプロモーションビデオには、ふたりの下着姿をサブリミナルで挿入して問題になったこともある。
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