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2017年夏、日本各地を襲った水害。大損害を受けないための住まい対策とは?

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ーー水害に弱い要注意な家とは、どんな家でしょうか。

川野:先ほどからお伝えしているとおり、基礎の低い建物は要注意です。新築時は十分な基礎の高さがあったけれど、駐車場や犬走り(建物のまわり)にコンクリートを敷いて建物外周の地表面を上げてしまった結果、基礎の高さが低くな、浸水しやすくなってしまったケースもあります。

ーー建物に関しては、木造だとやはり腐りやすいのでしょうね。

川野:木造だけでなく、鉄骨造や鉄筋コンクリート造でも注意が必要ですよ。構造は大丈夫でも、建材はほとんどが木製なので。カビや腐食に繋がります。

賃貸物件なら、どう備える?

ーー鉄筋コンクリートなら丈夫だと思っていましたが、違うんですね。また実際に被害にあってしまった場合は身の安全も確保しなければなりませんが、そのあたりはどう心構えすればいいですか。

川野:河川の氾濫や浸水の深さが高いことが予想される地域だった場合、水まわりやリビングを2階に持ってくるほか、掃出し窓(外部に出入りできる大型の窓)で避難口を確保されているとよいですね。

ーーこれから住宅を建てる場合は、いろいろ工夫できそうですし、購入する物件を選ぶ基準としても参考になりますね。しかしすでに家を所有してしまっている場合はどうでしょう。できることはあるのでしょうか。

川野:先ほど述べた床下の点検口に加えて、大きめの家具などは避難経路におかない、特に玄関は出入り口になるので下駄箱などは作り付けにしておく、といった避難の際の方針を立てておきましょう。また地震対策にも通じることかもしれませんが、家具はしっかり固定しておきましょう。

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 床下浸水という言葉はニュースで頻繁に耳にするので、たいした被害ではないと思ってしまいがち。でも家は水に浸されることによって深刻なダメージを受けているものなのです。ご自身の家が危険な地域にある場合は、床下のチェックをしつつ、しっかりと家財保険をかけておくなどの自衛も必要でしょう。

 いま賃貸で住んでいる場合は基本的に家の修復はオーナーの責任になるので、家そのものの損傷に関しては責任がありません。とはいえ床上浸水になって家財が損傷したりすると自己責任になりますので賃貸借契約で義務づけられている家財の火災保険(借家人賠償責任保険および個人賠償責任保険付き)にはしっかり加入しておきましょう。

 今回は浸水2メートルまでの地域を扱いましたが、2メートル以上の浸水リスクのある地域となると家のリスクだけでなく生命のリスクもあります。これから住み替える場合はハザードマップを確認してそういった地域を避けた方が無難ですし、すでに住んでいるのなら避難経路を確保する、避難するタイミングを家族のあいだで明確にしておくなど、対策をとって安全に気をつけてください。

協力:onnnaiekau_20e

(蜂谷智子)

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