不倫した有名人への過剰なバッシングは、「不倫は社会に対する裏切り行為」という怒りが生み出している?

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「不倫ブーム」は不安を解消するために作られた

 おそらく不倫は個人間を超えた、「社会」に対する裏切り行為だと思われている。自分たちは結婚(恋人でもいい)という「契約」を守っているし、守ろうとしている。そうすることがよいことだ。なぜならそれが「社会」にとって当たり前だから。それに従って、自分は不倫しないようにしているし、パートナーも自分と同じようであって欲しいと信じている。だから誰かが不倫をすると、「こっちは努力しているのに。ズルしやがって」といった気持ちや「パートナーも実は自分を裏切っているのかもしれない」と不安を覚える。不倫したタレントは自分たちを騙していた。自分をこんな気持ちにさせるなんて。これは「社会」への裏切り行為だ。当然、罰せられるべきだ。そんな気持ちが働いているのではないだろうか。

 そして、その不安や怒りは、不倫したタレントらを叩くことで解消される。叩けば叩くほど、「自分は不倫するような人間ではない。あいつとは違う」と自分に言い聞かせることができ、また周囲にアピールすることもできる。怒りを表明し、さらに社会的制裁を加えさせることによって「こうなるのだから、不倫するな」と警鐘も鳴らせる。裏切り者が始末されることで、また安心して生活を送ることにできる。

 「不倫ブーム」がここまで加熱しているのは、自分たちは間違っていない、と繰り返し確かめようとする気持ちが要因のひとつなのかもしれない。だがそうやって、モラルに反した人間を徹底的に叩き落とそうと目くじらを立てる社会は、誰にとっても生きづらい。次に叩き落とされるのが、自分かもしれないという不安を覚え、さらに叩き合いが過熱するかもしれない。

 斉藤由貴は不倫を認める際に「まず最初に、今回のことは、全て私の責任です。今後お仕事で派生するペナルティーは、覚悟してお受けいたします。斉藤にやらせよう、とせっかく依頼してくださったのに、本当に申し訳ありませんでした」とコメントしている。所属事務所や企業も斉藤の処遇をどうするか検討している段階だろう。犯罪行為とされていない、関係者間の問題であるはずの不倫がこれほどまでに大々的に報じられた時点で、充分な制裁を受けているはずだ。あとは関係者間で話し合えばいい。
(門田ゲッツ)

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