デリバリー型給食に異物混入を放置。完全給食実施率25.7%の神奈川県、給食を取り巻く諸問題

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 そもそも義務教育である中学、それも公立中学で昨年1月まで給食が導入されていなかったということに私は驚いたのだが、それは私が育った地域は小・中ともに完全給食が当たり前で、小学校は「自校式(校内の給食室で調理される)」、中学は給食センターからの配送だったが、いずれも温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま食することができたからだ。嫌いな食材・おかず以外を、まずいと思ったことはなかった。食缶やボールに入って届く人数分の主菜や副菜を、給食当番の生徒が盛り付け配膳するスタイルで、子供がやるものだから「いただきます」をするまで時間がかかったりもしたが、今となってはあの味が懐かしい。

 そんな昔話はさておき、文部科学省によると、給食は給食でも、“ミルクのみ”あるいは“ミルクとおかず”を提供するという方式もあるようだ。そういった場合、家庭で弁当(主食+おかず、あるいは主食)を用意しているのだろう。

・完全給食……給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食
・補食給食……完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食
・ミルク給食……給食内容がミルクのみである給食

 同省の平成27年年度調査では(公表されたのは今年1月)、全国の中学校(国公私立)の中学校の88.1%が給食を実施している。公立の中学校に絞ってみると、94.1%が給食を実施(完全給食88.8%、捕食給食0.4%、ミルク給食4.9%)。日本全国のほとんどの中学が、給食を実施している。

 だが、都道府県別学校給食実施状況(公立中学校数)を見てみると、また別の側面が見える。大磯町のある神奈川県の公立中学は、給食実施率63.0%と全国平均94.1%を大きく下回る。しかも、完全給食が実施されているのはわずか25.7%(413校中106校)に過ぎない。捕食給食0%、ミルク給食38.0%(157校)とのことだから、神奈川県内の中学の4校に3校は、昼食の用意が必要ということで、保護者の負担感は想像に難くない。今や専業主婦家庭より、共働き家庭の方が多く、しかも中学は小学校に比べて通学に時間がかかったり、部活の朝練があったりもするから登校時間が早くなる、そのため、朝弁当を持たせてから昼食時間までの保冷や衛生面も気がかりだろう。だからといって、「まずい給食」が出されても、生徒は完食できない。

 前出のデータは平成27年度の実施状況だが、神奈川県川崎市では地区ごとに給食センターを新設、今年1月から公立中学の完全給食の導入が徐々に始まっている。また横浜市では昨年7月より、有料の温かい弁当「ハマ弁」を、希望する生徒に届けるというサービスを実施している。ご飯とおかずは360円、汁物付きで390円、牛乳付きなら440円。弁当の献立は栄養士によるもので、コンビニ弁当とは一線を画す。横浜市の給食については1984年から続く「横浜学校給食をよくする会」の署名運動などを経て、ようやく宅配弁当の形で実現したものだ。

 子どもの頃、給食が好きな献立の日だと学校へ行くのが楽しみだった。苦手な食材や量にかかわらず、完食できなければ昼休みや掃除の時間まで席に座って食べることを強制するような教員もいなくはなかったが、量を生徒ごとに多少調整するなど苦痛を与えずに食べることを楽しむ方法はある。学校給食法で給食を教育の一環と位置づけるからには、成長期の生徒たちが安全で温かく美味しい食事を取れるよう、多角的にさらなる検討を重ねてほしい。

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