声を潜めて語るか、テンションを上げて下ネタとして語るか。社会の「性」についての語り方を変えたい私が始めたこと

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4人で始めました! SEX and the LIVE!!

 私は2009年から、NPO法人「しあわせなみだ」副理事長として、性被害当事者である個人として、性暴力に関する活動をしてきました。

 同NPOの活動は意義深いものです。私が被害に遭って引きこもった2008年当時、情報が一括でまとまっているサイトはありませんでした。しあわせなみだは「性暴力被害に遭ったときどうしたらいいか」からケア方法や性暴力に関するデータまでをまとめたHPを運営し、更新をつづけています。私個人がサバイバーとして性暴力のお話をすることで「知れてよかった」「勇気をもらえた」といってもらえることもありました。

 2016年に私は「A-live connect」を開業し、その後「SEX and the LIVE!!」というプロジェクトを立ち上げました。今年の9月いっぱいで同NPOの役職を辞任し、自身の活動に注力していくことになりますが、今後も応援したいと考えています。サバイバーとしての発信も、引き続き個人でしていきたいと思っています。

性の話題を口にしにくい現状

 これまでの活動を通して、多くの人は性暴力という言葉だけで敬遠するため、「性暴力はダメ」といってもなかなか関心を持ってもらえず伝わらないと感じていました。

「これをしてはダメ」というと息苦しく感じられ、また、それだけではどうしたらいいのかわかりません。それというのも、そもそも性やセックスに関することで、具体的に何がよくて何が悪いかの知識をつける場がないのです。

「それではどうしたらいいのか?」ーーそれにはまず、相手を尊重できるコミュニケーションが前提となります。ここで私には、「実際に身近な性の話題を口に出せる人はどれだけいるだろう?」という疑問がありました。

 性暴力に関心を持つのは、当事者や当事者に関わったことがある、なんらかの理由で問題意識を持っている、社会問題に関心があるといった、非常に真面目な方が多いと感じました。本来なら性の問題は誰にでも関係のある、身近なものです。にもかかわらず、深刻な状況になってからでないと語れない。そう見えたからこそ、いまは関心を持っていないように見える人たちに対しても、きっかけを作りたいと考えるようになりました。

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