社会

5人の「元・大統領ズ」がハリケーン被災で団結~アメリカの元大統領はふだん何をしているか

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カーター:92歳、ホームレスの住宅を建てる

 アメリカの大統領は、任期後は平和活動や人権活動に取り組むことが多い。英語では “Humanitarian” (人道主義)と呼ばれる活動だ。

 ジミー・カーターは、在任中はさまざまな政治的困難にぶつかって再選を果たせず、1期4年のみの大統領だった。カーターが1977年の着任初日におこなったのが、ベトナム戦争を回避して犯罪者扱いとなっていた大量の元兵士全員に恩赦を与えることだった。続いてエネルギー庁を新たに創設している。当時から人権と環境の問題に着目していたのだ。

 南部ジョージア州の「ピーナツ農民」と言われ、おっとりした南部訛りで話すカーター元大統領だが、任期後も平和と人権のために精力的に世界中を飛び回り、ノーベル平和賞を始め、多数の賞を授与されている。来月で93歳となるが、今年の夏も長年取り組んでいるホームレスのための住宅建築作業に自ら参加し、話題となったばかりだ。

パパ・ブッシュ:毎日、ボランティアを表彰

 パパ・ブッシュことジョージ・H. W. ブッシュはボランティア活動が国を向上させる重要な鍵と考え、在任中の1990年に「デイリー・ポイント・オブ・ライト賞」を創設した。これは自身の演説の中でボランティアとして地域社会に貢献する全米の市民たちを「何千もの光の点」と言い表したことに由来する名称で、現在に至るまで毎日1名のボランティに授与されている。だが在任後は息子ブッシュの政治活動に際し、利害の対立を避けるべく活動は控えめとなっていた。

 パパ・ブッシュはジミー・カーターと同じく1924年生まれの93歳だ。すでに何度も入退院を繰り返し、外出時には車イスを使うようになっている。今回の「ワン・アメリカ・アピール」のPRビデオでも「ウィ・ラヴ・ユー、テキサス」と非常に短いフレーズしか語っていないのは、もう話すこともままならないからだと思われる。それでも今年2月にスーパーボウル会場に登場して試合前のコイントスをおこない、満場の喝采を浴びた。引退から24年を経てなお、国民から愛されていることを証明した。

クリントン:演説1回20万ドル!

 任期後、ビル・クリントンは全米はおろか世界中で講演会を行い、莫大な収入を得ている。演説1回のギャラは平均20万ドルと報じたメディアもある。しかし当初の数年間の収入は大統領任期中のインターンとの浮気事件によって派生した莫大な弁護料金の支払いに充てられた。

 それほどの大スキャンダルを起こしたクリントンだが、人気は衰えない。社交的な性格、世界中の重要人物との交流、世界事情への深い理解と洞察により今もアメリカ社会への大きな影響力を維持している。妻ヒラリー・クリントンの大統領当選の暁には史上初の「ファースト・ジェントルマン」としてホワイトハウスに返り咲き、さらなる影響力の発揮が期待されたが、これは果たせずに終わった。

 在任中に設立したクリントン財団を通じ、15年間にわたって世界各地へのチャリティを続けてきたが、ヒラリーが国務長官時代に外国政府から受け取った寄付金と利害関係にまつわる疑惑が持ち上がった。FBIの捜査対象にもなり、ヒラリーが大統領選に立候補すると財団は活動を縮小。それでもビル・クリントンの人気は決して衰えないのである。

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