
生き延びるためのマネー/川部紀子
こんにちは! ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。
毎年9月といえば、厚生年金保険料が高くなる月……ということをご存じない方もいるかもしれません。来月の給料明細で確認してみてくださいね。
実は毎年9月に厚生年金保険料率は0.354%(会社負担+自分負担)ずつ、国民年金は毎年4月に280円ずつ上がる仕組みになっています。でも、法律上、値上げは今回がラスト。厚生年金保険料率は18.3%、(会社負担+自分負担)国民年金保険料は16900円を上限にストップされる予定です。ここまで値上げをしても、国の年金が苦しいようであれば、年金の受取額を減らしたり、年金の受け取り可能な年齢を遅くしたりということになるでしょう。
今後、保険料の上限額を「やっぱり引き上げます」なんてことになったら大変ですが、何か大義を付けて上げていくストーリーも見えなくもないですね。しっかりチェックしてください。
そんな年金に関するもっとも身近なものは「ねんきん定期便」。今日は、ねんきん定期便の基本について紹介します。ねんきん定期便をすぐに用意できる方は手元に用意してこの記事を読んでみてくださいね。
ねんきん定期便が届いたら
皆さん、ねんきん定期便は見たことがあるはずです。「そんなの知らない」という方は、時々届く、青い文字が書かれた圧着ハガキを思い出してください(※35歳、45歳、59歳はハガキではなく封筒です)。それが「ねんきん定期便」です。
ねんきん定期便は、自分の誕生月に届きます(1日生まれの場合は、誕生月の前の月)。宛名の下には、「ねんきん定期便です」と大きく書かれていて、差出人は東京都杉並区の日本年金機構になっています。
年にたった1回のことですから、このハガキが届いた時くらいは、加入記録やいくら払ったのかを見たり、老後のお金のことを考えてみたりするきっかけにしてみてください。
そして、届いたらすぐにWebの「ねんきんネット」も見てみましょう。PCはもちろん、QRコードが付いているので、簡単にスマホやタブレットでも見ることができます。年金手帳とねんきん定期便を手元に用意して、検索を。年金手帳に書かれた基礎年金番号、ハガキの中にあるアクセスキーという番号、その他を入力しIDを発行します。最初は面倒ですが、以降は簡単です。
平成30年からはハガキの郵送ではなく、この電子版「ねんきんネット」に切り換わっていく予定になっています。
もしも「そんなハガキ、見たこともない!」というなら問題ですので、すぐに状況を確認してください。年金手帳に書かれている「基礎年金番号」がわかるなら「ねんきん定期便・ねんきんネット等専用ダイヤル(0570-058-555)」に電話をしましょう。何もわからないのであれば、住んでいる地域の年金事務所に電話をかけて、手帳の再発行手続きと共に確認を。
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