【女ひとり家を買う、最終回!】住宅購入を考えるとき、資金計画と同じくらい大事なある“視点”

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ーー良質なストック住宅になりそうな物件を選ぶことが必要なのですね。

大西:立地がよく、管理がよいマンションを選ぶのは大前提ですね。変化する市場価値に敏感になるには、家の購入時だけではなく日頃から経済・金融動向や不動産の情報に親しんでいることも大事です。

ーー継続的に不動産情報に注目するというのが、なかなかむずかしいですよね。購入するとなったら、一生懸命、情報集めをするけれど、それまではほとんど不動産に無知……という人が多いのではないでしょうか。

大西:日本ではその傾向がありますね。でもたとえばアメリカでは、みなさん普段から不動産について話すのが好きですよ。すぐに購入の計画がなくてもオープンルームに足を運び、内装デザインや相場感覚を肌感覚で磨く人も多いのです。そして日常的に不動産評価のwebサイトを見て、周囲の物件の価格を把握しています。

ーーそうなのですね。日本では、ファッションなどの情報はあふれているのに、一般の人向けのリアルな不動産情報にはなかなか触れられないのが実情です。実は生涯に購入する洋服の総額の、何倍ものお金を住宅に費やすにも関わらず、そのことについてはあまり話題にしません。

もっと不動産を楽しもう!

大西:もっと不動産を楽しめればよいですよね。欧米では日頃からDIYで家に手を入れたりしていて、それが不動産の価値にも結びつきやすいのです。残念ながら、日本ではまだセルフリノベーションが不動産価値と直結するとはいえない状況ですが。でも、ひとつお勧めなのは、ふだんから不動産エージェントと懇意にしておくことです。その地域で成功しているエージェントなら、リアルな不動産情報を持っていますよ。地域の知り合いでよい不動産取引をした人がいたら、その人に担当した不動産エージェントを紹介してもらうのも手ですね。

ーー多くの人は不動産検索サイトを通じて、たまたま出会ったエージェントと契約してしまうことが多いですよね。

大西:「一生懸命だから」「よくやってくれるから」と感情移入してしまうんですね。でも要注意なのは,、愛想がよいからといって自分が望む知識レベルの回答をくれるとはかぎらない、ということです。住宅のストックとしての本質的な魅力をしっかり把握し、市場動向や建物・管理状態による価値付けについて自分なりの見通しを持っているエージェントは、残念ながらそれほど多くありません。

ーー不動産エージェントもかかりつけのような存在が必要かもしれませんね。

高齢になっても住める家か?

ーーシングル女性の場合は、家を買う動機として資産性よりも「終の住処」にする目的の方が大きいのも事実。家にずっと住むのであれば、資産価値が下がっても住みこなしていければ満足度が高いのではないでしょうか。

大西:ずっと購入物件に住む場合は、自身が高齢になったときに住める家であることも大事です。たとえばアラサー女性なら、エントランスに数段の階段があっても気にならないかもしれませんが、高齢になって足腰が弱くなれば、その数段のために家から外に出るのが非常に億劫になることもあります。

ーー分譲の場合はローンを払い終わってから長く住めば住むほど得をできるのに、いざそのフェーズに入ったら、年齢的に住みいくい家になってしまったとしたら、悲しいです!

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