『先に生まれただけの僕』等身大の櫻井翔が感じられる学園ドラマ。ゆとり教員VS会社員校長の戦いにニヤリ

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『先に生まれただけの僕』公式HPより

『先に生まれただけの僕』公式HPより

 今回は毎週土曜22時放送『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)に主演する櫻井翔さんについて。「もしこの人が嵐じゃなかったら、こんな感じなのかな……」と妄想を掻き立てられる会社員のビジュアルでドラマに登場。この人“日本一スーツ姿が似合うアイドル”だと思うのは私だけでしょうか。

“鳴海涼介(櫻井)は総合商社に勤務する35歳の営業マン。社内派閥の事情により、私立京明館高校に校長として出向し、学校の経営再建を命じられることに。就任早々、次々と明るみになる山積みにされていた学校内の問題。教育経験ゼロの涼介が会社員の視点を持って、問題に向き合っていく”

 ドラマは教員と鳴海の面談からスタートし、全校集会のシーンへと流れていくのですが、ここで引っかかったのが櫻井さんのリアルすぎる会社員姿でした。名刺をきちんと両手で渡す仕草や、相手を納得させる話し方に、聴きやすい滑舌。一瞬『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のインタビューなんじゃないかと見間違うほどハマっていたのです。

 恋人・松原聡子(多部未華子)とのデートシーンも同じく。「……オレだって遠距離(恋愛をしているのが)辛かったんだから……」と、ため息混じりに恋人への思いや仕事の愚痴をこぼすのですが、これがまた会社員らしさを増幅。こういう櫻井さんの演技をドラマでは初めて見るのですが、すごく自然体でいいなというのが印象に残ります。

 ドラマ自体は一言で言えば、学園モノ。とはいえ、従来のそれとは一味違い、生徒、教師云々について物語が綴られるのではありません。昨今、生徒減少などから問題視されることが多い“学校経営”そのものについて提言していく内容です。日本で良しとされる学園ドラマの多くは、どこか“金八イズム”が拭えず、生徒の心に寄り添う熱血先生を求められがちですが、今作のように現実を次々に突きつける内容は新鮮そのもの。

 営業マンとしての手腕を買われた鳴海は、第一話から早速、赤字再建に様々な意見を投じていきます。

「会議に遅刻してきた社員を許す会社はありません」

「教師にとって生徒はクライアントであり、商品です! 親御さんは株主です!! 我々はクライアントと商品と株主に責任を持たなければならない。それは一般企業となんら変わりはありません!!!

「そもそも皆さん、勘違いされていませんか? 公務員じゃないんです、皆さん。私学の教師なんです。リストラだってあり得るんです」

 もちろん、真柴ちひろ(蒼井優)を始めとする教員たちは、その意見にイヤ〜な感じで反発。他教員たちが鳴海や視聴者をイライラさせる感じがお見事。放送中から、鳴海の勤務する商社の上司役・高嶋政伸の怪演が何かと話題になりましたが、それよりも鳴海が学校に、そして教員たちに伝える“社会では当たり前のこと”のほうが個人的には刺さりましたね。日本中で誰よりも若い校長だからこそ、生徒目線で『先に生まれただけの僕』なんだなと。

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