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震災で「人は死んでしまう」と知ったから、進路を変えて好きなことをしている/上京女子・ケース7

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人と比べて、自分の大切にしているものを見失わないために

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 サヤは、バンドの作詞を手掛けている。歩いている時にふと歌詞が浮かんできたり、朝起きたら曲ができている、なんてこともあるらしい。どんなことをしていても、彼女の頭の中には、常に音楽の種が育っている。

 サヤはいつも、観客を応援したいという気持ちで歌を歌っている。

「『大事なものは何か』ってわかっている人は、実は多いと思う。でも、人と比べたりして見失ってしまってる人も多い。だから、そういう人たちに向けて『それぞれの個性を認めていいじゃん! 大事なものを見失わないで! 大丈夫だから』っていう気持ちで歌ってる」

 彼女はとても苦しそうに歌う。多くの人が抱えている苦しさに共感し、代弁しているかのようだ。

「大事なものは何かって、日々考えていないと忘れちゃうから、自分に言い続けてるところもあるかな。それは、絵だったり写真だったり、人によって表現方法は違うと思う。たまたま私の表現方法が音楽だったんだよね」

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いつ終わるか分からない人生、何でも経験してみたい

 音楽が続けられるなら、東京という土地にはこだわらないという彼女。住む場所も働き方も、まだ探求の最中だ。

「何でも経験してみないとわからないから、やりたいことは全部やってみるつもり」

 「やりたいことをやる」の中に歌を歌うことが含まれていた彼女だが、商業的な成功にこだわっているわけではない。音楽を続けていく中で、音楽に対する考え方も変化してきた。自分の音楽で誰かの感情を震わせることができたり、音楽活動を通して出会えた人との繋がり、そういったものが、今、音楽そのものと同じくらいの輝きを放っている。

「いつ終わるかわからない人生、やりたいことをしたい」
「音楽と、音楽がもたらしてくれる数々の出会いを大事にしたい」
「大切なことを見失わずにいたい」

 そんなまっすぐな想いが、彼女の原動力だ。

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