日本人は「エリート」が好き? 衆議院選の結果から見る、女子教育の拡充がジェンダーギャップ指数の改善に欠かせない理由

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まとめ

 実はジェンダーギャップ指数には数多くの問題点があります。例えば、教育分野の指標では、男女間の格差を計測しようとしているにもかかわらず、男女間の均衡点が満点になるのではなく、女子の就学率が男子よりも高ければすべて満点になっています。先々月の記事でご紹介したように、「落ちこぼれ男子の問題」がいくつかの先進国で噴出しつつある現状を考えれば、こうした基準を採用しているこの指標がいかに欠陥指標であるか分かるかと思います。このような問題点は他の指標でも散見され、ジェンダーギャップ指数の点数・順位のつけ方に問題があることが読み取れます。

 しかし、このような問題をはらむものであっても、ジェンダーギャップ指数が国際的にある一定の影響力を持つ以上、この指標を改善するために努力する必要があります。理由は大学の世界ランキングを例に引くと分かりやすいかもしれません。

 詳細は省略しますが、いくつかの機関が発表している大学の世界ランキングもその順位のつけ方に大いに疑問が残るものです。しかし、大学院の入試の際に、外国からの出願者の出身大学のレベルを知るためや、留学や研究協定などを結ぶ際に相手の大学のレベルを知るために、世界ランキングが参照されてしまうケースもあります。このため、大学の世界ランキングがその手法に問題があるものであったとしても、日本の大学の世界ランキングの凋落は、日本の国際的な競争力に暗い影を落としかねないものとなってしまうのです。このことはジェンダーギャップ指数でも言えることです。

 残念ながらこのような、「ルールを作った者がゲームに勝つ」、というのは国際社会の常です。もちろんルールを変えることも大切ですが、ゲームに勝つためにはルールの中で最適な手法をとることも必要です。

 この連載で繰り返し強調しているように、日本のジェンダー格差の問題は、女子教育が他の先進諸国よりも大幅に遅れてしまっていることに端を発しています。もちろん社会でのジェンダー格差が女子の学ぶ意欲を失っている点は否めず、政治・労働側からの取り組みが必要なのは明らかでしょう。しかし、やはりそれでも女子教育の遅れがボトルネックになっているのは、政治参加においても例外ではありません。今回選挙で選ばれた人たちの経歴から鑑みて日本の有権者にかなりのエリート志向が見られる以上、女性達が学歴・学校歴で大幅に劣っている現状に取り組まないことには、政治分野におけるジェンダー平等の実現は難しいでしょうし、日本のジェンダーギャップ指数も下位に沈んだままとなるでしょう。

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