政治経験のない大統領補佐官
イヴァンカが大統領補佐官に就任した際、アメリカでは懐疑的、または反対の声が多く上がった。父トランプは大統領就任前の時点でイヴァンカの夫で不動産業者、トランプにとっては娘婿のジャレッド・クシュナーを大統領上級顧問に指名していた。それに伴いクシュナーとイヴァンカはニューヨークから首都ワシントンD.C.に転居。その時期、イヴァンカは政権への関与を聞かれると「私は大統領の娘です」と曖昧に答えていた。ところが3月に大統領補佐官となったのだった。
当然のことながら、これでは家族政権ではないかという声が上がった。加えてトランプ、クシュナー、イヴァンカの誰にも政治経験がない。さらに3人ともに実業家であり、各自の企業と政策の利益相反が心配された。実のところ、イヴァンカの利益相反は大統領補佐官就任前からみられた。
以下は今年6月の記事「イヴァンカ・トランプとは何者か?~愛娘・ビジネスパーソン・大統領補佐官」からの抜粋だ。
昨年11月の大統領選でトランプが勝利を収めた5日後、トランプは高視聴率のニュース番組「60ミニッツ」でのインタビューを受けた。カメラの前で同席したイヴァンカは自身のブランドの1万ドルのブレスレットを着けており、かつブレスレットについてのP.R.レターをジャーナリストたちにEメールにて送付した。この件はすぐさま批判され、以後トランプ一家のビジネスと大統領職の線引きが曖昧であることが懸念され続けている。
ブレスレット騒動のわずか数日後の11月17日、つまり大統領就任式の2カ月も前に日本の安倍首相がニューヨークに駆け付け、トランプと会談。その際もメラニアではなくイヴァンカが同席した。(中略)イヴァンカ・トランプ・ブランドが日本の企業サンエー・インターナショナルとのライセンス契約締結真近であり、同社は日本政府が筆頭株主であることが報じられた。なお発覚後、イヴァンカ・トランプ・ブランドはサンエー・インターナショナルとの取引を行わないことを発表している。
4月にトランプと中国の習近平国家主席が会食した際にもやはりイヴァンカが同席し、その日、中国でのイヴァンカ・トランプ・ブランドの商標登録が承認されている。(抜粋ここまで)