是非論だけで終われない離婚・別居後の「面会交流」 子供を最優先に考えた面会の支援方法の選択肢が増えることこそが必要

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 佐藤正子(@SATOMasako)です。こんにちは。

 今回は、夫婦が離婚や別居した後に、離れて暮らしている子どもに会う「面会交流」についてお話しします。

 夫に「面会交流について書こうと思ってて……」と話したところ、「警察で面会するやつ?」となかなか惜しい間違いをしていました。それは逮捕のあとで警察に「勾留」されているときに行う面会です。今回取り上げることは、警察はほとんど関係ありません。

 面会交流とは,離婚後または別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うことです。近年、離婚後の親子の交流を促す「親子断絶防止法(通称)」の成立に向けた動きがたびたび活発化するなど、面会交流が注目を浴びる機会が増えてきました。この法案は話題に上がる度、ネット上などで賛否両論が起きる事態になっています。そこでこの記事では、面会交流が法律上どのように定められているのか、実際に行われている面会はどのようなものかなど、基本的なお話を書きたいと思います。

 法律では「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と定めています(民法第766条第1項)。なお、裁判所が関与する形で離婚する場合でも同じように面会について定めることがあります。

 話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所で調停ができます。この調停では、裁判所の調査官が子どもの心理や環境の調査を行い、適切な面会が行えるように調整が行われることが多いです。裁判所内に子ども部屋のようなところがあれば、試験的に裁判所で面会を行うこともあります。ちなみに、裁判所から配布されている面会交流のしおりには、面会をする方、させる方が守るべきルールとして、別れた夫婦はお互いに悪口を子どもに言わない、子どもを通じて別れた相手のことを詮索しないなどが定められています。裁判所でこうしたしおりが作られるということは、面会交流の際に両方の親に感情のもつれや不安が発生してなかなか面会できないことが多いからだろうと考えます。

 なお、離婚届にも面会交流に関する欄はありますが、書かなくても受付されます。また、強制力もないため、それに従った面会などを行えなければ、相手と話し合いをするか、別途調停を起こすしかありません。

 実際にはどのように面会が行われているのか、ふたつほど例をあげたいと思います。

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