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11月9日、「『第3の性』認める法改正へ ドイツ憲法裁が国に命じる」というニュースが流れました。
このニュースは、戸籍に登録された性別を男女以外の「インター/多様」もしくは「多様」に変更できるよう求めた、ある「インターセックス」の体の特徴を持つ人の訴えをドイツの裁判所が認め、性別が登録されている成人に対して、男女以外の「第3の選択肢」(それがどのような表現になるかは未定)を認める法改正を国に対して命じる判決を出したというものです。
このニュースを報じたyahoo!ニュースには500件を超える賛否両論のコメントが寄せられています。そのほとんどが、インターセックスの体の特徴を持って生まれた赤ちゃんあるいは成人全員が、男女以外の「第3の性別」を求めているという前提で書かれていました。しかし今回の判決は、インターセックスの体の特徴を持って生まれた赤ちゃんを、男女以外の性別として登録するように求めたわけでもなければ、ドイツの裁判所がそのことを命じたわけでもありません。そもそも「インターセックス」と呼ばれる体の特徴を持つ人々の大多数は、男女以外の第3の性別を求めているわけではありません。
「LGBT」など性的マイノリティとされる人々の存在が注目されつつある一方、「インターセックス」の存在は日本ではまだまだ十分に知られているとは言えません。また「インターセックスの人たちは第3の性別を求めている」といった誤解も払拭されていません。そこで本稿では、「インターセックス」とは何か、当事者は何を求めているのかなど、ニュースの解説とともにお伝えしたいと思います。