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出産=幸せのフォーマットから外れていた自分。母親になって初めて感じた孤独

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(C)wezzy

 「産後うつ」という言葉は、ここ数年で随分浸透したように思う。

 妊娠判明時には役所から母子手帳と一緒に「産後うつとは」というタイトルのリーフレットまで配布された。それほどに産後の女性なら誰にでも起こりうる一般的な事象なのかもしれない。リーフレットには、産婦の7~8人に1人が陥る……とあった。

 妊娠や出産の実態に迫り、母親が抱える心の葛藤などにスポットを当て人々が成長していく姿を描いた人気ヒューマンドラマ『コウノドリ2』(TBS系)では、第34話にてこの「産後うつ」について取り上げていた。

 産休中のキャリアウーマン・彩加(高橋メアリージュン)は無事出産を終えたものの、職場復帰に焦りを感じながら新生児の子育てに奮闘する。早く会社に戻らなければ自分のポジションがなくなってしまう。

 しかし保育園にはなかなか受け入れてもらえず、焦りは日々増すばかり。そんな中でも子供は一瞬たりとも休ませてはくれず彩加の身体と心を縛り付ける。

 夫の康考(ナオト・インティライミ)は仕事が忙しく、ほぼ子育てには関与できない立場でありながら妻の彩加に対して至って呑気な発言・態度ばかり。

 「仕事に復帰? いや~まだ早いんじゃない?」……妻の気持ちを全く考えず、「母子は寄り添っている方がいいだろう」と一方的に“良さそうな価値観”を押し付ける。

 心身共に疲弊しボロボロになった彩加の、散らかった部屋を訪れた実母から追い討ちがかかる。

「こんなに散らかして! 康考さんごめんなさいねぇ~」

「保育園? 早いんじゃない? 母親ってのは子供の側に居ることが幸せなの」

 康考は「いやぁ~ボク、会社では“イクメン”って呼ばれてるんでぇ~♪」などと的外れな発言で彩加をさらに追い詰めるのだった。

 完全に塞ぎこんでしまった彩加の元に、ある日、同僚の社員が訪れる。久々の友人との再会に少し笑顔をのぞかせる彩加だが、同僚の口から告げられたのは彩加の会社でのポジションはもうなくなってしまったという残酷な現実。

 完全に追い込まれた彩加は病院の待合室に子供を置いて、屋上へ……

 もし、私がまだ出産や子育てを経験していない段階でこれを見てもピンとは来なかったかもしれない。

 母親になることは幸せなことだし、産んだからにはきちんと育てるのは当然だと短絡的に考えていたからだ。

 しかし一児の母となった私には、身を切られるような内容。気づけば胸の奥のほうがギューッと痛くなっていた。

 ドラマで強調されていたのは、紛れもなく、出産を終えた女性の『孤独』だった。

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小出 愛

1981年生まれ、学生時代から10年以上スポーツ一本、卒業後はスポーツトレーナーとして第一線を志すも、いろいろあってパチ屋店員に。そこで旦那と出会い、結婚、2016年に第一子出産。プロレスは知らないけど猪木が好き。ママ友ヒエラルキーには入りません。

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