私が「エイジアン・ビッチ!」と呼ばれた理由~増えるアジア系への差別 in アメリカ

文=堂本かおる
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アジア系差別元年?

 今年はアジア系アメリカ人が人種差別行為の対象となったビデオがいくつか話題となった。

 7月に起こったエアビーアンドビーの件を覚えているだろうか。予約客の韓国系アメリカ人の女性が、現地到着寸前にオーナーから宿泊をキャンセルされた件だ。オーナーはキャンセルの理由を「単にアジア人だから」とテキストメッセージした。女性客が抗議すると、「これが私たちがトランプを大統領としている理由よ」と返信している。女性客が泣きながら事態を訴えたビデオは広く拡散された。

 4月にはユナイテッド航空の機内でヴェトナム系アメリカ人の医師が、空港警察官によって顔から血を流しながら通路を引きずられるショッキングなビデオが、やはり拡散されている。ユナイテッド側の都合によって搭乗を取り消されたものの、機から降りることを拒んだために力づくで座席から排除された結果だった。

 どのビデオも正視に耐えないが、なぜ、ここにきてアメリカで対アジア系への差別が頻出するようになったのだろうか。

 黒人、ムスリム、LGBTQ、女性など他のマイノリティへの差別行為と同じく、携帯カメラとSNSの普及によって映像が拡散されやすくなったことは理由のひとつだろう。しかし、そこにはもっと本質的な理由がある。アジア系の「プレゼンス(存在感)」の増幅だ。

 アジア系の全米人口比は5%程度だが(※)、地域によって大きな差がある。冒頭で紹介した、列車での事件が起きたサンフランシスコ・ベイエリア地区では23%、筆者が住むニューヨーク市でも13%を占めている。また現在、アメリカでの人種別の人口増加率はアジア系が最も高い。つまり、アメリカでは「アジア系がどんどん増えている」のである。

※アメリカ国勢調査の「アジア系」には日中韓の東アジア、フィリピンなど東南アジア、インドなど南アジアが含まれる

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