
『フリンジマン~愛人の作り方教えます~』公式サイトより
今回は毎週土曜深夜0時20放送『フリンジマン~愛人の作り方教えます~』(テレビ東京系)について。ここ数年“テレ東”“深夜ドラマ”と聞くとゾクゾクします。なぜなら作品にエッジが効きすぎているからです。毎クール2~3本が放送されるのですが、2017年はRADWIMPS・野田洋次郎主演の『100万円の女たち』、古田新太と小池栄子を主軸に、毎回小劇場の人気劇作家11人が交代で書き下ろしていたオムニバスドラマ『下北沢ダイハード』に夢中になりました。そして今は『フリンジマン』の虜です。
“愛人を同時に11人までキープした経験のある愛人作りのベテラン・井伏真澄(板尾創路)、通称・愛人教授(ラマン・プロフェッサー)。彼のもとに集まったのはサラリーマンの田斉治(大東駿介)、出版社社員の満島由紀夫(淵上泰史)、唯一の独身でフリーターの坂田安吾(森田甘路)。高校の同級生という彼らの目的は『既婚者の田斉と満島に愛人を作ること』。愛人作りに関しては百戦錬磨の井伏が、彼らに教えるテクニックとは一体……?”
今年のフィナーレを飾るにふさわしい、バカバカしいドラマが放送されています。見るたびにニヤニヤが止まらなくなり、クセになってしまうくだらない内容なのですが、女性に見て欲しいポイントをお伝えしたいと思います(愛人教授風)。
このドラマはタイトルを漢字変換すると“不倫自慢”と出てくるように、不倫をテーマにした内容です。不倫を扱ったドラマといえば過去には『金曜日の妻たちへ』(TBS系・1983年)だの、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系・2014年)だのと時代を問わず、たくさんの作品が放送されてきました。ただすべて女性から見た不倫を取り上げ、主に女性の想いを掘り下げているんですよね。辛く、悲しい、許されない恋。だからこそ甘美でもあり、視聴者の共感を呼ぶ、というのが定説です。
一方『フリンジマン』は、男性の“不倫がしたい”という願望を軸に描いた作品です。公式ホームページでは、出演者たちも「よくこの時代にこんな作品を……」とコメントを発表していますが、ごもっともです。昨年のゲス不倫から始まり、世は空前の不倫ブーム。“一瞬の気の迷い”と言われるあさはかな行為で人生を壊す人が続出しています。そんな時に敢えて不倫を風刺するような作品をぶち込んでくるとは、さすがのテレ東様。
満島「オレも……、オレも(愛人作りを)やる! (同級生の)田斉だけズルい! オレも愛人作りたい!!」
田斉「やっぱり作るしかないな、愛人!」
恥ずかしげもなく願望を叫ぶ田斉と満島。女房という公式に抱ける女がいるのに、他の女も抱きたいとは不届き千万者。でも、彼らが真剣な表情で不貞行為の実現に奮闘する姿を見ていると、いつの間にかエロ本を回し読みする男性高校生たちのように見えてきてしまって、あら不思議(ひょっとしたら最近は、エロ動画をLINEで回しているのでしょうか)。大人の青春を謳歌しようとする姿が、まあ面白い。“カワイイは作れる★”って本当なんだなと思いました。
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