
Photo by Oberazzi from Flickr
連日メディア等で、LGBTQ等性的マイノリティの皆さんが注目されています。多くの当事者の方もカミングアウトし、様々な知識が共有されつつあります。
ですが一方で、LGBTQとセットで語られることもある「インターセックス/性分化疾患」について正確な知識を持っている人はまだ少なく、社会に向けて発信しようとする当事者の方も数えるほどしかいらっしゃいません。
性分化疾患はここ15年の間に、生物学的知見も進歩し、迷信ではない現実の当事者の状況も明らかになっています。そして実は、現実のDSDsを持つ子どもたちや人々は、むしろ切実に女性・男性であることが大多数で、「男でも女でもない中性の人」といったステレオタイプな偏見が、当事者家族の社会的孤立や自殺企図率を高める原因にもなっているのです。
申し遅れました。いわゆるインターセックス/性分化疾患、現在では「DSDs(ディーエスディーズ):Differences of sex development:体の性の様々な発達」と呼ばれる体の状態を持つ子どもと家族のための情報サイト「ネクスDSDジャパン」を主催している、ヨ・ヘイルと申します。日本や海外の各種DSDs患者家族会・サポートグループと連携し、DSDsの正確で支援的な知識の啓発を行ってきています。
この記事では、DSDsについてのできるだけ新しく正確な基礎情報を、Q&A形式でご紹介していきましょう。以下のような流れでお話をしていきます。
・DSDs:体の性の様々な発達ってなに?
・DSDsとインターセックス、どっちがいいの?
・DSDsにはどのような体の状態がありますか?
・LGBTQ等性的マイノリティの人々との関係は?
・トランスジェンダーの人とはどう違うの?
・まとめ:性を、人を大切にするとはどういうことか?