Q.DSDs:体の性の様々な発達ってなに?
DSDsとは、「染色体や性腺、もしくは解剖学的に、体の性の発達が先天的に非定型的である状態」を指す用語です。
「人間の体の性のつくり」(外性器の大きさ・形や、性腺(卵巣・精巣など)の種類、女性の膣・子宮の有無、X・Y染色体の構成)については、「こうでなくては女性/男性の体とは言えない」という固定観念があります。DSDsは、この固定観念とは生まれつき一部異なる体の状態を指します。
DSDsの人がどのくらいいるかというと、どこまでをDSDsに含めるかによって異なってきます。最大限では1.7%とも言われていますが、性教育や人権の先進国オランダの国家機関の調査で示されている全人口の約0.5%という数字が妥当なところでしょう。
Q.DSDsとインターセックス、どっちがいいの?
まず、英語ではHermaphrodite、日本語では「両性具有・半陰陽」といった「男でも女でもない性別」を連想させる用語は、医学的にも人権支援の上でも、当事者の心を傷つけるものとして世界的に使われなくなっています。
医学的には日本では「性分化疾患」、欧米の政治運動では「インターセックス」とも呼ばれています。ですが日本で「インター”セックス”」という用語は「性行為」を連想させるため、大多数の当事者家族は忌避されています。ここでは中立的に「DSDs(体の性の様々な発達)」という略称を使っていきましょう。
「DSDs」は、ただの包括用語に過ぎず、約30種類(大きく分けると8つほどのグループ)ほどの体の状態があります。DSDsは、いわばASEAN(東南アジア諸国連合)のようなものでしかありません。インドネシアの人に「あなたはASEAN人ですか?」とは聞かないことと同じです。欧米の政治運動や、DSDを持ちかつLGBTQ等性的マイノリティの人を除けば、「インターセックス」や「性分化疾患」等を自身のアイデンティティとしてアピールすることはありません。また、国の違いと同じく、あるDSDの人の話を他のDSDにそのまま適用できないことも理解する必要があります。