ドラマは一話完結で毎回、違う問題を抱えた妊婦さんや家族たちを鴻鳥先生たちが支えます。職場でのポストと出産のバランスが取れずにうつになる人、お腹で途絶えた命をこの世に産み落とす悲しい出産、子宮頸がんの治療と出産の選択を迫られる女性などなど。
女性にしか体験できない出産の神秘は太古から変わるものではありません。そして同じ出産なんてひとつもなくて、すべての出産・育児がオリジナルでありドラマティックなもの。その尊さを伝えてくれているのが『コウノドリ』なのだと思います。毎回「泣いたらあかん」と思いながら、最終的に号泣している女性も多いはず。私もそのひとりです。
第7話で子宮摘出に迷う小松さんが言った「お母さんになる人生と、お母さんにならない人生。何が違うのかなあ」というセリフは、重く響きました。そしてまた、きちんと婦人科へ検診に行こうとも思わせてくれました。そういう現実から目を背けないようこのドラマが警報を鳴らしてくれているのではないでしょうか。
さて綾野剛さん。ヒモとか怖い役の印象が強いと書きましたがが、大好きです。演技ではストイックさ100%なのに、番宣で出演するバラエティ番組では全力で可愛い。いつか「好きすぎる」と自称する箱根駅伝に中継解説者として出演して欲しいなと願いつつ、『コウノドリ』第9話の不育症に悩む妊婦との向き合い方を見守りたいと思います。
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