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女子の理系離れが起きる6つの理由 男女の賃金格差解消の肝となるSTEM教育を促進するには

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 日本の大学・大学院における女性の相対的な就学率は先進国で最低水準なだけでなく、その学習内容も収入に結び付きづらいものに偏っています。その理由のひとつとして、日本は「リケジョ」の育成に失敗しているから、という記事を以前この連載で取り上げました(「リケジョ」の失敗により低賃金状態におかれる日本の女性たち)。先日、OECD(経済開発協力機構)が『Education at a Glance(図表でみる教育』の最新版を発表しました。この『Education at a Glance』にあるSTEM系学部(いわゆる理系学部)の「卒業率」のデータを見ても、やはり日本はリケジョの育成に失敗していることが確認できます(注1)。

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 卒業学部と賃金の関係についての信頼できるデータが日本にはないのですが、人文科学や教育・サービス分野の卒業生に比べ、STEM系学部の卒業生は所得が高いとされています(前述の記事ではジョージワシントン大の調査を紹介しました)。

 日本でいまだ根強く残る男女間の賃金格差を縮小するためには、女子のSTEM教育を促進することが喫緊の課題だと言えるでしょう。では、どうすれば女子のSTEM教育を促進することができるのでしょうか。女子のSTEM教育の問題を包括的にレビューした全米経済研究所(NBER)のワーキングペーパーを基に紹介していきたいと思います。

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畠山勝太

ミシガン州立大学博士課程在籍、専攻は教育政策・教育経済学。ネパールの教育支援をするNPO法人サルタックの理事も務める。2008年に世界銀行へ入行し、人的資本分野のデータ整備とジェンダー制度政策分析に従事。2011年に国連児童基金へ転職、ジンバブエ事務所・本部(NY)・マラウイ事務所で勤務し、教育政策・計画・調査・統計分野の支援に携わった。東京大学教育学部・神戸大学国際協力研究科(経済学修士)卒、1985年岐阜県生まれ。

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