女子の理系離れが起きる6つの理由 男女の賃金格差解消の肝となるSTEM教育を促進するには

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まとめ

 以上のアメリカの議論の中から、日本が女子のSTEM教育改善のために取り込めるものとして、家庭・教員・社会に対する働きかけを挙げることが出来るでしょう。家庭への介入は教育の自由と対立するため慎重である必要がありますが、日本の女子のSTEM教育の状況を見ると、ここは例外的に家庭への働きかけが必要だと思います。特に日本の母親世代は、教育機会や社会を通じてSTEM教育に対する苦手意識やジェンダーバイアスを持っている可能性が高いので、ここへの働きかけは避けて通れないと思います。

 次に教員です。日本の小学校教員養成課程を見ると、選抜におけるSTEM系科目の比重が高いとは言えません。入試において必修化も含めてSTEM系科目の比重を上げ、これらの科目に苦手意識を持つ人材を養成課程からはじいた方が良いでしょうし、中高のSTEM系科目の教員養成により多く女子学生が集まってくるような工夫も必要でしょう。

 最後に社会への働きかけですが、メディアに反省を促したいところです。少年犯罪が実数として減少しているにもかかわらず、少年の凶悪犯罪に関するイメージが改善しないのはメディアのあり方が影響していると言われています。ジェンダーステレオタイプも、メディアのあり方が強く影響しているのではないでしょうか。日本の女子の相対的な進学率の低さや、STEM系学部での存在感の無さを見ていると、メディアには報道のあり方など、もう少し反省して欲しいなと思うところがあります。また、メディア以外の会社でも、STEM系部門で女性が活き活きと活躍することが、未来のSTEM系女性を育てることにつながるということが広く認識され、そのための環境整備に取り組まれる必要があると思います。

 日本の女子のSTEM教育を促進するための万能薬は存在しません。家庭・教員・社会というそれぞれのアクターが女子のSTEM教育を促進するために、それぞれができる取り組みを進めて行くことが求められています。

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