フェミニストにもクリスマスは来るの? クリスマスコンテンツあれこれ

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フェミニストなクリスマス

 最近では、現代的でフェミニズム的なクリスマスコンテンツを作ろうという動きもけっこうあります。英語圏ではクリスマスに小売店などが季節のCMを作るのが盛んです。昨年のクリスマスにイギリスのデパート、マークス&スペンサー(M&S)が作ったCMはミセス・クロース、つまり「サンタのおばさん」をヒロインにしたもので、話題を呼びました。

 日本語字幕がないのでわかりづらいところもあるかもしれませんが、話は北極でサンタクロースがプレゼントの準備をしているところから始まります。

 ミセス・クロースは夫を手伝う中、ギリギリで届いたリクエストの手紙を発見します。夫を送り出してから手紙を読んだところ、それはロンドンに住む6歳の男の子ジェイクからのものでした。ジェイクは姉のアンナとうまくいっておらず、飼い犬がアンナの靴を食べてしまったことについて謝りたいと思ってミセス・クロースに助けを求めたのです。

 ミセス・クロースはクローゼットからお洒落な赤い服を選んで着込み、ヘリコプターを操縦してジェイクとアンナの家にプレゼントを配達します。アンナはミセス・クロースが選び、ジェイクの名前で贈られた赤い靴を見て弟と仲直りし、ミセス・クロースは家に戻って何食わぬ顔で夫を迎えます。ミセス・クロースを演じたのはイギリスの有名女優ジャネット・マクティアで、『英国王のスピーチ』や『リリーのすべて』を作ったトム・フーパーが監督しています。

 ミセス・クロースは日本ではあまりなじみがありませんが、19世紀の半ば頃にアメリカで作られたキャラクターで、英語圏ではサンタと一緒にメディアに登場してくることがあります。M&Sの広告は、ふだんは優しくサンタの手伝いをするだけでほとんど目立たない大人しい妻として描かれるか、あるいは仮装向けのセクシーサンタみたいになってしまうことの多い存在だと言われているミセス・クロースに大活躍をさせ、イメージを払拭させているのです。思いやりと機転で子どもたちを助ける様子を描いた広告は、フェミニズム的であり、かつクリスマスの贈答文化のあるべき精神を示した内容だと話題になりました。ミセス・クロースはすごくカッコいいし、ファンタジー的な設定なのに子どもたちが抱えているトラブルはわりとリアルで、愛情と感謝のこもった贈りものが子ども同士の心をつなぐというのは祝祭の精神にふさわしく、心温まる物語です。

クリスマスに本当にすべきことは?

 上で紹介したクリスマスの広告はとても心温まるものです。しかしながら、フェミニストとしてひとつ、忘れてはいけないことがあると思います。広告はものを売るために作られているということです。楽しい内容だとしても、やすやすと広告にのせられてホイホイものを買ってしまったり、無駄にしたりするのはよくありません。M&Sだって良いことばかりしているわけではなく、阿漕な商売でボイコット運動を起こされたこともあります。

 クリスマスの贈りものは愛情や感謝を示すと言われていますが、私は毎年、年末になるとチャリティ団体に寄付をするようにしています。環境保護とか、ホームレス支援とか、女性の人権に関する活動をしている団体とか、なんでもいいのですが、ものを買うよりこういうところに寄付をするほうが祝祭の精神に忠実だし、フェミニストらしいと思っています。何か買って人に贈るだけがプレゼントではありません。社会にもいろいろ贈りものができるのです。

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