トランプ「ハイチとアフリカは便所」発言〜「小学4年生」レベルの人種差別主義者

文=堂本かおる
【この記事のキーワード】

「バカ」「負け犬」「間抜け」

 やはり幼稚さの証拠と言えるのが、トランプが頻繁に使う言葉だ。アメリカでメディアを通して日常的にトランプの発言を聞くなり、読むなりしていると、特定の単語の頻度が異様に高いことに気付く。

 「バカ stupid」「負け犬 loser」「間抜け moron」「悪い bad」「弱い weak」「軽量級 lightweight」など、相手を攻撃する言葉は常用語だ。”lightweight” 以外はすべて子供の悪口ラインナップである。

 逆に自分自身、自分の賛同者、または自分が推し進める政策などについては「賢い smart」「美しい beautiful」に加え、「素晴らしい amazing」 「素晴らしい terrific」など大げさな形容詞を多用する。

 「勝つ win」「大きい huge」「とてつもなく大きい tremendous」「偉大/大きい、巨大な great」「頑健な、屈強な tough」などは単純なマッチョ思考の表れだろう。

 政策など込み入った内容を説明しなければならない時にトランプがよく使うフレーズがある。「何が起こっているのか。What’s going on.」だ。具体的な説明はほとんどせず、「何が起こっているのだ?!」「何が起こっているか、知っているか?!」「何が起こっているか、俺は知っている!」で済ませてしまう。英会話を勉強中の人はぜひ覚えておくとよい。聞き手を煙に巻ける、非常に便利なフレーズだ。

 ボキャブラリーの貧しさを指摘されると、トランプはこう言うのである。

「俺は言葉を知っている。最高の言葉を持っている」
“I know words, I have the best words.”

 手の小ささ、それをヒラヒラ動かし続けることをからかわれると、いきなり下衆に走ってしまう。

「ずっとちゃんと記録されてきたように、俺の指は長くて美しい、俺の体の他のいくつかの部分と同じように」
“My fingers are long and beautiful, as, it has been well documented, are various other parts of my body.”

 語彙に限らず、知能を問題にされると……

「俺のIQは最も高い範疇だ ―― 皆、知ってるくせに!どうか自分をすごくバカとか、不安に思わないでくれ、君のせいじゃないんだから」
“My IQ is one of the highest — and you all know it! Please don’t feel so stupid or insecure; it’s not your fault.”

 今年に入ってトランプの精神状態を憂う声が精神医療の専門家から盛んに発せられている。それに対しては連投ツイートで抗っている。

「実際、俺の人生を通して、俺の最も偉大な2つの財産は精神的な安定と、なんというか、すごく賢いことだ。不正なヒラリー・クリントンも必死になって同じように振舞おうとしたが、皆知っているように、大失敗した。俺はとても(※)成功したビジネスマンからトップTVスター、そしてアメリカ合衆国大統領(初挑戦で)になった。これは賢いのではなく、天才だ…そして、とても安定した天才だ!」 ※「とても」のみ大文字で強調
“….Actually, throughout my life, my two greatest assets have been mental stability and being, like, really smart. Crooked Hillary Clinton also played these cards very hard and, as everyone knows, went down in flames. I went from VERY successful businessman, to top T.V. Star…..”
“….to President of the United States (on my first try). I think that would qualify as not smart, but genius….and a very stable genius at that!”

 トランプは批判に非常に敏感に反応し、反論する。その際、賢いだの、美しいだの、IQが高いだの、あげくに天才だのと自画自賛の嵐となる。加えて本題とはまったく関係のない仮想敵(今回はヒラリー)を持ち出し、自分と比較して貶める。トランプが常用する手段だ。

小学4年生レベルのボキャブラリー

 先に書いたようにトランプの言語能力は何度も分析されているが、「安定した天才」ツイートを受けてさらなる分析記事が発表された。”Flesch–Kincaid” というボキャブラリー解析をもとに、トランプを含む直近15人の大統領の言語レベルを測定したものだ。

“Stable Genius” – Let’s Go to the Data

 それによると、トランプの語彙の難易度は15人中もっとも低い「4年生」レベル。唯一の小学生相当だ。最高スコアのフーバー大統領は「11年生(高校生)」、オバマ大統領「9年生(高校生)」、息子ブッシュ大統領「7年生(中学生)」と出ている。テストの解説によると、5年生レベルで「平均的な11歳に容易に理解できる」となっており、トランプのボキャブラリーは10歳以下の子供にも理解可能ということになる。

 この判定法では10〜12年生レベルで「そこそこ難しい」、大学生レベルでは「難しい」とあり、一般市民にも伝わる話法としてはオバマ大統領のように9年生以下に抑える必要があると言える。ただしオバマ大統領の「単語の種類」は4,900語近くと抜きん出ており、トランプは15人中最少の2,600語とある。

 逆に言えば4年生レベルの話法だからこそ、高等教育を受けていない層を引きつけて当選したのだとも推測できる。なによりトランプ自身、こう叫んだことがあるのだ。

「低教育な人々が好きだ!」
“I Love the Poorly Educated!”

アメリカを白人の国に!

 話を「便所」に戻す。

 ハイチ、アフリカ諸国、エルサルバドルは黒人とヒスパニック、つまりアメリカでは人種的マイノリティとなる人々の国である。同じミーティングでトランプは「(便所国の)代わりに合衆国はノルウェイのような国からもっと人を入れるべきだ」とも発言している。ノルウェイは国民の8割以上が白人であり、かつ金髪碧眼率の高い国だ。

 トランプは言葉が貧しく、品位が無いだけでなく、徹底した人種差別主義者なのである。

 今、トランプのスローガンは

「アメリカを再び偉大にする」
“Make America Great Again”

ではなく、

「アメリカを再び白人の国にする」
“Make America White Again”

だったのだと言われている。
(堂本かおる)

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