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安達祐実の明らかな変化、子役女優からの脱皮は「ただ脱いだだけ」ではなかった

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 日本一有名な子役女優だった安達祐実(36)が、いつからか誰が見ても「ああ、安達祐実、変わったな」と感じる独特の雰囲気を纏うようになった。特に彼女のオフィシャルサイトの写真群や公式Instagramの投稿画像からは一目瞭然だ。オフィシャルサイト更新時は「安達祐実らしからぬ」フォトの多くが注目を集め、ネット上で大きな話題となった。失礼な言い方かもしれないが、いまひとつ売れなくなっていた商品としての安達祐実が、新鮮なパッケージでリニューアルしたような感覚。しかし彼女の本質は急に変わったわけではなく、もう何年も前から自らの意思で「商品としての安達祐実」を変えようと試みていたようだ。

 安達祐実は昨年11月にリリースしたパーソナルマガジンhome(カエルム)に、およそ11万文字にのぼる膨大な文章量のインタビューを掲載している。それは素晴らしく濃い内容で、芸能界という業界を赤ちゃんの頃から生きてきた彼女の、商品であるからこそ見えなかった(見せていなかった)部分が、何にも遮られることなく提示されていた。

 中でも前述のような安達祐実の仕事人としての試行錯誤がわかる箇所が興味深い。彼女への見方が変わるだろう。彼女は24歳で第一子を出産してから、子役のイメージがまだ残り母親役のオファーもないものの若者の役もしっくり来ないと見られて仕事が激減した。子役時代に大ブレイクしたうえに20代でも童顔で小柄、役者として仕事の幅が狭いと評価されていた。彼女が所属する芸能事務所は老舗・サンミュージック(ベッキーや太川陽介、カンニング竹山らが所属している)だが、事務所スタッフも「前のイメージ」に捉われており、なかなか役をもらえなくとも「“安達祐実”としての守りたいライン」を崩せずにいたという。

 そのラインとは、小さい役はやらない、エンドロールの名前の順番で上から3番目までの役にこだわる、低予算の映画はやらない、などだ。しかし29歳のとき、現在のマネージャーがスタッフ入りしてからは2人で動くようになり、事務所幹部をまじえて「傷つかないから、私がなんで仕事をもらえないのか、営業行ったときにどう言われているのか教えて」と自ら問い、業界で「使いづらい」と言われていることを自覚したうえで次の方向性を模索。そこから、現在の夫である桑島智輝氏撮影の写真集『私生活』(集英社)や、201411月公開のR15+指定映画『花宵道中』でのヌード公開へつながっていった。彼女自身が選んだことであり、むしろ事務所は脱ぐことでそれまでの安達祐実のイメージを捨てることに消極的だったようである。肌感を完璧にレタッチした「綺麗なつるんつるんの写真」にこだわっていたのも事務所側だが、『私生活』は安達の意向で修整ナシのままの写真で構成した。ただ話題性のために“過激な濡れ場”に”挑戦”して”妖艶な魅力”を見せたわけではない。もっと彼女自身の奥深いところで大きく舵を切っている。結果的に彼女は、「脱いで落ち目に」なっても「ヨゴレ」てもいない。

 私生活で桑島氏というパートナーを得たことも当然、彼女の変化には大きく関わっている。たとえばそれまで周囲には「変だよ」と言われていたファッションやヘアメイクを、彼は「それが良い」と言う。価値観や好みが近い相手と出会えると自己肯定感は高まる。もともと食欲がなく睡眠時間も短く(性欲は普通)ひどい頭痛持ちだという安達祐実だが、頭痛が重いときでも夫の前では無理して平気そうに振る舞わなくていいから「楽」でいられる。一方で世間は、インスタなどでも元気で幸せそうな表情の写真でないと「疲れてるの?」「大丈夫?」と心配のコメントをよこすが、彼女は「あ、みんな本当に幸せそうに楽しそうにしてないと不安になるんだ」「人間は真顔のときもあるでしょって思うけどね(笑)」と肩の力を抜いている。

 安達祐実という女優を『家なき子』や『REX』、「具が大きい」カレーのCMなどの時代から見ている“世間”にとっては、彼女の言葉のひとつひとつが意外かもしれない。けれど彼女はもう大人であり、表層だけ幸せそうに繕ってみせるタイプのタレント女優ではない。全編どこをとっても興味深い内容であり、是非手にとり11万字を堪能してほしい。

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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