
(C)ふわふわのイス
明けましておめでとうございます。ヒラマツマユコです。
結婚せずに子供を産んで育てているひとりの女として、いつもはmessyというサイトで、いろいろな家族のかたちについてインタビュー記事を書いています。
【Family?】
▼結婚せず母親になりたくて、実行した私の家族観
▼妊娠を招いた相手との「避妊」「産後のかかわり」、疑問に答えます
▼「村のように賑やかな家」前編~娘Kさんの場合~
▼「村のように賑やかな家」後編~母Mさんの場合~
▼2歳児と私の引越し~入居お断り、を乗り越える部屋探し
▼ひとつ屋根の下に住む男女は「事実婚」認定される。児童扶養手当の申請で受けた理不尽
▼同じ住所に住む男女が「事実婚とみなされる」決まりが、変わることはないのか?
▼「“異性”を好きになって当然だ、お前はどの“異性”が好きなのだ」と当然のように問う社会のおかしさ/ジュンペイさんvol.1
▼「性愛の結果」ではない生殖は、強制異性愛社会からの解放だ/ジュンペイさんvol.2
▼男の生殖―男が女をセックスに誘って、女が妊娠出産を決断してくれないと、生殖が叶わない。/ジュンペイさんvol.3
▼精子提供が実り子どもが誕生。やっぱりセックスはしなくても生殖はできた/ジュンペイさんvol.4
去年messyでご紹介した「私、産みたい!展」からのご縁で、同主催者さんにお声かけいただき、今月21日にちょっとしたトークイベントに参加することになりました。
私が話をさせていただくのは、「“恋愛ありき”じゃない妊娠・出産・子育て」についてです。
このイベントは、荻窪のガレットとソックスのお店≪aruiteru≫さんで開催される「ダサセーター展」という、ちょっとクスッとなってしまうユニークなセーターを集めた可愛らしい展示に何故か抱き合わさってしまった(本当に何故か…)ものでして、是非展示と合わせて、遊びにくるつもりでいらしてください。また別日のトークイベントも魅力的なテーマなので、是非。
非婚ってなんだろう
さて、今回、もとは「非婚について話してみませんか?」というお誘い(これまたホンワカ展示からは想像し難い提案……笑)でしたが、実は「非婚」をテーマに話すのに私が適任なのかは怪しいと正直思いました。
というのも、私は卒業研究でも本連載でも「非婚」という言葉を使ったことがなく、またその言葉自体に対する違和感のようなものをずっと抱いていたからです。
まず、大前提として、婚姻関係を結ぶも結ばないも、選択であり、そこには何らかの意志があります。しかし、どんな選択も言わばただの結果に過ぎません。子どもを作るも作らないも、産むも産まないも、夢を追うも諦めるも、ひとつの愛を貫くも複数追うも、ぜーんぶただの選択肢。そして選ぶことができるのは、当事者である本人ただ1人しかいません。何が良いとか悪いとか、本人以外がとやかく言うのは、本当に不毛……(去年J-waveラジオでLilicoさんが「人の生き方に口を出す人って、何ていうか本当に、どういう教育を受けたのかしらって思ってしまう」と話しているのを聞き、めっちゃ良いこと言ってくれている!!と感激しました)。
私の場合も、子どもができた際に、結果として「婚姻+出産・子育て」の結婚ハッピーセット(※某ハンバーガーショップは全くの無関係です笑)を選ばなかった、というだけです。ただ、ハッピーセットとして提示されている内容を選択しなかっただけで、手続きや届け出の場面では度々ハラスメントに遭い、親戚や知り合いからは非難の声が上がる……ということで、選択理由の説明を迫られました。
私が結婚ハッピーセットを選ばなかった理由は、婚姻制度に対する拒否感であったり、「好意/性的接触/生殖」にそれぞれ隔たりのある価値観だったり、などなどです。
そして、こういう話に意外と共感してくださる方もおり、「生きてる」ついでに、こうしてメディアで書く機会をいただけたので、セットじゃない生き方もあるよと伝えることを試みているわけです。
私のは非婚じゃなくて無婚じゃない?
ただ!(本当にここからが重要)私はやっぱり「非婚」ではないと思うのです。しいて言うなら、「無婚」? 結婚したいと思ったことがないから、していません。
結婚が自分の人生の選択肢だと思えないといいますか、とても自然なこととは思えないんです。
なので、意義を感じて結婚を選ぶ人たちに対して何を思うわけもなく、婚姻制度を撲滅しろなんて1ミクロンも思ってはいません。ただただ、ハッピーセット以外も、普通に、フラットに、選ばせてくださいよと、それだけなんです。
ちなみに「結婚ハッピーセット」の他にも、「完全ファミリーパック(夫婦を核に構成される家族像。子どもがいると尚良し)」や「愛がすべてを救う!キャンペーン(いわゆる恋愛至上主義)」を推進する風潮がありますよね。
これらの風潮(日本の伝統、と呼ぶ人たちもいる)に日々、違和感を覚える私ですが、30歳前後で恋人がいない女友達や、婚姻していて子どもを持たない(もしくは持てずにいる)夫婦なんかも、この風潮には迷惑しているように見受けられます。
セットやキャンペーンを使わなくてもハッピーにはなりたいし(ていうかなれるし)、むしろアンハッピーだって選んでええやん、自分の人生なら。と思う日々であります。
ちょっと前までは結婚ハッピーセットが恋愛前提でもなく、感情ぬきにして「そーゆーもんや」でそれが唯一の選択肢であるかのように結婚・出産・子育てする人も多かったと思います。そして恋愛感情のある相手と結婚して出産・子育て、という方向性に変わりました。
で、私の場合は「“恋愛ありき”じゃない妊娠・出産・子育て」。結婚はしない。無婚。男も女もそうじゃない人も、結婚しなくても子育てできるんじゃないか、と思いますし、実践しています。
イベントでトークする人間として適任かどうかはわかりませんが、ご興味を抱かれた方は、是非イベントにお越しくださいませ。
【Family?】
▼結婚せず母親になりたくて、実行した私の家族観
▼妊娠を招いた相手との「避妊」「産後のかかわり」、疑問に答えます
▼「村のように賑やかな家」前編~娘Kさんの場合~
▼「村のように賑やかな家」後編~母Mさんの場合~
▼2歳児と私の引越し~入居お断り、を乗り越える部屋探し
▼ひとつ屋根の下に住む男女は「事実婚」認定される。児童扶養手当の申請で受けた理不尽
▼同じ住所に住む男女が「事実婚とみなされる」決まりが、変わることはないのか?
▼「“異性”を好きになって当然だ、お前はどの“異性”が好きなのだ」と当然のように問う社会のおかしさ/ジュンペイさんvol.1
▼「性愛の結果」ではない生殖は、強制異性愛社会からの解放だ/ジュンペイさんvol.2
▼男の生殖―男が女をセックスに誘って、女が妊娠出産を決断してくれないと、生殖が叶わない。/ジュンペイさんvol.3
▼精子提供が実り子どもが誕生。やっぱりセックスはしなくても生殖はできた/ジュンペイさんvol.4