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Youtubeで放置される差別動画 遺体を撮影した米youtuberは対岸の火事ではない

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youtubeより

 人気youtuberのローガン・ポールが1月1日、青木ヶ原樹海で首吊り自殺をしたと見られる男性の遺体を映し出した動画をyoutubeにアップし、世界的なバッシングが起きている。ローガン・ポールは他にも、築地市場で魚を素手で掴む、渋谷のスクランブル交差点で魚を掲げる、暴れるなど数々の迷惑行為の様子を撮影した動画をyoutubeにアップしていた。

 12日、青木ヶ原樹海での動画に批判が殺到したことを受けローガン・ポールは、動画視聴者やうつ病、希死念慮で苦しむ人たち、ご遺体の本人や家族らに向けた謝罪動画を公開。110日にはyoutubeが、Google Preferred(価値の高いyoutubeチャンネルと提携する広告メニュー)からローガン・ポールのチャンネルを除外し、共同開発していた独自コンテンツの制作を中断することを発表した。

 しかし、ローガン・ポールのチャンネル自体は削除されておらず、対応の遅さも含めてyoutube自体も批判の対象となっている。署名サイトchange.orgでは、ローガン・ポールのチャンネルの削除を求める署名が始まり、112日時点でおよそ50万人の署名が集まっている。

非常識な海外youtuberがひどい、だけなのか

 実は今回のローガン・ポール騒動が起きる前から、樹海を舞台にネタ動画をアップしている日本のyoutuberは複数いる。後述する記事でも言及したラファエルは、騒動後に、芝公園と思われる場所で、この騒動を揶揄する動画をアップしていた。Youtubeは今回の問題について、一連のツイートの中で「自殺は冗談ではなく視聴をす原動力にすべきではない」という見解を述べている。ローガン・ポールが問題視されたのは、動画内に遺体が収められていたことが主たる理由だろうが、問題は「死」を軽率に扱ったことであり、類似する動画をアップしている他のyoutuberも同じように問題視されて然るべきだが、そのような視線は少ない。

 Youtubeには他にも多数、問題含みの動画が公開された状態で、おそらく削除しようとしても追いつかない状態だろう。著作権に違反した動画はイタチごっこで、wezzyでも言及したyoutuberによる性差別・民族差別的な動画は、日々多数のyoutuberによってアップされている。(ラファエル・禁断ボーイズ…これ以上放置できない、YouTuber業界に蔓延する性差別・民族差別的動画の実態

 当然だが、Youtubeには「コミュニティ ガイドライン」が設けられている。例えば「悪意のある表現」としては「人種または民族的出自、宗教、身体障がい、性別、年齢、従軍経験、性的指向性 / 性同一性…(略)…に基づいて個人や集団に対する暴力を助長したり差別を扇動したりするようなコンテンツ」を禁止し(なお、コミュニティ ガイドラインは「性的嗜好」と記載されている。「指向」の間違いと思われる)、「暴力的で生々しいコンテンツ」では「実際または偽の、あるいは脚色された暴力描写」を禁止している。ローガン・ポールの動画は後者に抵触していると判断されたのだろう。

 昨年、twitterで性差別・民族差別的なツイートが放置されていることが疑問視された(水原希子出演プレミアム・モルツCMへのヘイトは4カ月前から行われていた。私たちが批判の声を挙げることに意味がある)。ツイッター社もまた、「ヘイト行為に対するポリシー」として「表現の自由は、人々が恐怖によって発言できないという状況では意味を成しません。Twitterは他者の発言を抑制する嫌がらせ、威圧、脅しを禁止しています。Twitter上で、これらのルールへの違反を見つけた方はご連絡ください」を掲げているが、実際には十分にこのポリシーが運用されていないのが実情だ。あいかわずヘイトに満ちたツイートが日々投稿され、放置されている。規制し、取り締まっても別の場所で同じことが起こるだけだとしても、その都度「NOはNO」だと表明する必要があるのではないだろうか。

 ローガン・ポールの騒動は「海外からきたお騒がせyoutuberによる迷惑行為」という対岸の火事で済ませられない。
wezzy編集部)

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