
『FINAL CUT』公式サイトより
今回は『FINAL CUT』(関西テレビ、フジテレビ系)に主演する亀梨和也さんについて。彼のことは非常に好きなんですよね。だいぶ前にインタビューしたことがあるのですが、たまたま取材時間は15時すぎという中だるみタイム……。この不運にぶち当たった時点でライターとしてはバキッと心折れます。でも亀梨さんはこちらの立場を考えて質問内容を真剣に考えて言葉をくれる神対応だったんです。惚れたわ。大変そうだったけど、今年は見事KAT-TUN復活! ドラマもスタート!! 過去を飛び出していこうぜ!!!
“中村慶介(亀梨)は警察官として新宿署に勤務する傍ら、メディアの取材被害にあった人たちの相談を請け負うサイト運営者の顔を持つ。その理由は、自身も12年前に起きた女児殺害事件で、メディアの報道によって母親(裕木奈江)を自殺に追い込まれた過去があるから。慶介は、ずさんかつ強引な取材を母に仕掛けてきた情報番組『ザ・プレミアワイド』や事件のカギを握ると予想される小笠原雪子(栗山千明)、若葉(橋本環奈)の姉妹にも近づき、母の復讐を果たすべく動き始める。しかし、復讐の過程で慶介は初めて人を愛してしまい、復讐のシナリオが崩れていく”
関テレ制作、火曜21時放送ドラマは近年アツいです。昨年は『嘘の戦争』『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』『僕たちがやりました』『明日の約束』の4本を放送。テロ、政治、宗教、いじめ、自殺などクレーム想定からタブー視される内容を放送して視聴者側をドキドキさせてくれていました。そして今回のテーマは、報道被害。
『ザ・プレミアワイド』のスタッフたちはフリーランスが多く、上層部に命じられたスクープ奪取のために日々奔走。ただ、どんなに頑張っても司会の百々瀬塁(藤木直人)に企画会議で一蹴されてしまいます。
この藤木さん演じる司会者は、ぜひロールモデルがいてほしいと思うほどエキセントリックなのですが、彼にしては珍しい完全なヒール役。そして百々瀬に腰巾着のごとく取り入るのは、プロデューサーの井出正弥(杉本哲太)。ひと言で片付けるのなら“部下の手柄はオレの手柄”タイプの上司です。
結局、この人たちは慶介によってズタボロにされていくのですが、できればもう少しドロドロした腹黒さを前面に押し出してほしい……というのが第2話の放送を終えての感想でしょうか。『ザ・プレミアワイド』製作陣の動向が慶介の着火剤でもあるのでね。期待の放送枠なので、スポンサー諸々の体裁は忘れて人間の醜さをもっと出してほしいと期待します。
とはいえ、その物足りなさをしっかり埋めてくれるのがプリンス亀梨さん。彼は影があって、むちゃくちゃカッコつけた役がとてもよく似合う。『たったひとつの恋』(日本テレビ系・2006年)では、綾瀬はるかさんとロミジュリのような悲恋を。亀梨ファンを奈落の底に突き落とすほど濃厚なラブシーンを連発した『セカンド・ラブ』(テレビ朝日系・2015年)では、売れないダンサーに。途中、妖怪や怪盗に変身した時期もありましたが、ビジュアルの良さをストレートにぶつけてくるような役が私は大好きです。
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