「男女の役割分担ができ、女性や子供がとても幸せな時代。飢饉で娘を売るような辛いこともあったけれども、それは自然災害や天候のせいで、政治や行政が悪いわけではないことを民衆も解ってた。何より、男性ばかりが国を治めていたのに250年間、戦争をしていない。ここの認識が違うから、『日本は男尊女卑』という人とは意見が噛み合わなくなるのです。外国の指標に左右されず、日本女性が幸せであればいいのでは?これ、キチンと言いたかった。次、頑張ります」(昨日のよるバズ、一番反論したかったこと〜日本は江戸時代からの男尊女卑?)
江戸時代はわざわざ例に出すまでもなく、大阪の陣、大阪夏の陣、戊辰戦争など、国内でも戦争は複数起きており、「男性ばかりが国を治めていたのに250年間、戦争をしていない」ことを根拠に「『日本は男尊女卑』という人とは意見が噛み合わなくなる」といっている杉田議員の歴史認識こそが間違っている(ちなみにツイートでは400年間と書いていた)。鎖国により他国とは戦争していなかったと言いたいのだろうか。
江戸時代は男尊女尊だったという主張がまさに杉田議員の認識や女性観を現しているが、こうした主張をこれまで幾度となく繰り返してきたことは、ブログ記事や書籍などからも一目瞭然だ。以下、長くなるが杉田議員の主張を引用する。
「女の子は本来『俺の可愛い女』って言ってくれる男とずっと一緒にいたいものです。本能に逆らうとGAPが出てきてしまう。日本全体がそんな状態になっちゃってしまっている。そんな気がします」(2010年11月25日掲載「足るを知る」)
「『男子厨房に入らず』でも、外では自分の奥さんのことをよく言わない男性でも(これは武士道の精神です。本当に身内だと思うから外で自分の家族を褒めない。)、死ぬまで添い遂げて『この人と結婚してよかった』とお互い思えた時代。子育ても家事も全部分担。おまけに相手の姓を名乗るのは嫌とかで『選択性男女別姓』が議論される時代。気がつけば離婚率は3割を超えています。さらに、行き過ぎた『男女共同参画』のせいで、若い女性の専業主婦願望は増加の一途です。一方で男性は『結婚するなら働く女性がいい』という傾向が強まっています。これで本当にいい日本になったと言えるのでしょうか?」(2011年2月21日「男女共同参画なんて要らない!」)
「そもそも昔の日本は夫が外で働き、お金を稼いで妻にわたし、家計のやりくりをしていました。ところが女性が社会に進出して経済力を持つと、そうした役割分担が崩れ、男性の役割が小さくなっている部分があるのです。【中略】家庭の役割における男女平等なんてありえません。男性は男性の役割があり、女性は女性の役割があります」(2017年刊行『なぜ私は左翼と戦うのか』青林堂)
「女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名の基、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です。女性にしか子供を産むことはできない。こんな当たり前のことに目を背けた政策を続けた結果、男性ばかりか当の女性までが、女性にしか子どもが産めないことをネガティブにとらえる社会になってしまいました。その結果、ドメスティックバイオレンスが蔓延し、離婚が増加。少子化や子どもの貧困の原因となっています」(【書き起こし】「本来日本は、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国だった」次世代の党・杉田水脈議員質疑)
「(強姦)事件を起こす男性達もみんな母親から生まれてきます。子宮の中で10ヶ月育って産道を通って。自分がお腹を痛めて産んだ子供が強姦魔になるなんて、母親も居た堪れない」(2016年10月13日「強姦事件を起こす男性の心の中には確かに「男尊女卑」や「女性蔑視」が存在する」)
このように杉田議員の女性観は徹底的に保守的である。まとめると、「女の子は本来『俺の可愛い女』って言ってくれる男とずっと一緒にいたい」もの。男女共同参画が進んだために「離婚率は3割を超え」ており、「ドメスティックバイオレンスが蔓延し、離婚が増加。少子化や子どもの貧困の原因」になっている。「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」で「男性は男性の役割があり、女性は女性の役割」がある。「お腹を痛めて産」むことに過剰な意味を見出し、「女性にしか子供を産むことはできず」、「子供の成長に何がいいのか」を「一番わかるのはお母さん」だという母性神話を信じている。