元妻が「子宮教」に傾倒、父親は子供を引き取らなかったことを後悔

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本当のパパがわからない!? Photo by Lucy Rendler-Kaplan from Flickr

 陰謀論や謎の自己啓発法、過剰なフードファディズム、自然信仰etc. そんな荒唐無稽な「トンデモ」に家族がハマってしまったら? を追う、「身内がトンデモになりまして」シリーズ。今回からwezzyにお引越ししてきました! 第4回目は、〈離婚した元妻が、子宮系女子になった〉という体験談です。話してくれたのは、技術職に就く男性・Fさん。

▼vol.1:
前篇)異臭がする子供、ワクチン拒否…義妹が「自然派ママ」になりまして
後篇)過激な自然派育児は誰のため? 自己肯定のレベル上げに執心、医療全否定で子供の健康を守れるか
▼vol.2:
「子宮系女子」になった母、その原因が自分にもあるのではないかと悩む娘
▼vol.3:
「意識高い系ママ」になってしまった実妹…食材にはこだわるもののマナーはガン無視! 

 Fさんが離婚したきっかけは、東日本大震災。当シリーズ第3回目に登場したOさんの妹と同様、元妻さんに「放射能が怖いから関東では子育てしたくない」と、何かのスイッチが入ってしまったそうです。元妻さんの選んだ放射能対策は、「子供2人と自分だけ、南へ移住する」という手段でした。「自分は、今の仕事を手放すことは考えられなかったので関東に残りました」とFさん。遠距離別居状態となり、Fさんは育児休暇やまとまった休みをたびたび取っては、地方の妻子へ会いに行きました。

 別居当初は「放射能騒ぎが落ち着けば、そのうち帰ってくる」と思っていたものの、2年、3年と時間が過ぎるうち、妻は現地のコミュニティと親密になっていき、戻る気配が全くなくなりました。最終的に離婚することになったと言います。

Fさん(以下、F)「離婚が決まって数か月後くらいですかね。元妻のSNSで、妙なセミナー情報やら、肚(はら)の声だの宇宙の法則だの、今までとは違う様子の言動が増えてきたんですよ。そのときは単に『なんだありゃ……』と思っていたんですが、元妻と共通の知人から『子宮系女子にハマってるみたいだ』と連絡が来たんです」

 第1回目での説明の繰り返しになりますが、子宮系女子とは「女の幸せは、子宮を大切にすることから」なる思想を発信する一派のこと。子宮を温めるなどの〈おまたケア〉を怠らず、セックスやマスターベーションで女性器を積極的に使うことを推奨し、〈子宮の声(=魂の欲求)〉に耳を傾け欲望に忠実に生きることが美容や健康の秘訣であり、運気アップも欠かせない……という、カルト宗教じみた〈子宮万能説〉を広めていることが特徴です。

性のブロックを解除した元妻

 Fさんの元妻がハマったのは、子宮系女子のトップといわれる〈子宮委員長はる〉氏と、その元夫・岡田哲也氏(▶参照:子宮委員長の夫が便乗して自己啓発本を出版するも、内容が薄っぺら〜い!)という元夫婦コンビ。

「子宮系女子を教えてくれた知人の話によると、元妻が〈こんなすごい人たちがいた〉と情報をシェアしたり講演会に通っていたりするなと思ったら、あっという間に自分でも子宮委員長はるのDVD鑑賞会を企画したり、〈性の悩みを聞く個人セッション〉などおかしな商売に手を出し始めたそうです。僕が自分で確認した元妻の奇行は、『性のブロック解除』とか言って、セクシーアピール全開の写真をネットにアップしたり、〈多重恋愛〉を公言しはじめたことです。その知人は、『今までまじめないいお母さんといった印象だったのに』なんて驚いていましたが、そこに関しては、正直〈元妻の本性が出た〉という感じなんですけどね」

 Fさん曰く、子宮系女子に感化されて奇行に走ったのではなく、これまで元妻さんがぼんやり思い描いていた理想を具現化したものが、まさに「子宮系女子」だったのでは、ということです。

「子供が生まれてからは確かに、ママ友交流とかもすごくがんばっていて、その時期は〈いいお母さん〉風に見えていたかもしれません。でも、もともとは性的に奔放だけど男への依存心が強く、エキセントリックな性格なんですよ。自分勝手で空気が読めないので友だちは少なく、大学卒業後に就職した会社も、遠回しに退社を勧められたような感じです」

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