安田美沙子が無痛分娩の映像を公開、「感動vs嫌悪感」の反応と根強い偏見

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安田美沙子が無痛分娩映像を公開!「痛みを感じて産まないと母親の自覚が生まれない」という偏見の画像1

安田美沙子 Instagramより

 1月25日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に安田美沙子(35)が出演し、2017年5月に第一子を出産した際の“無痛分娩”での出産映像を公開。出産映像が放送されたときの定番だが、やはり視聴者から賛否両論の声が上がっている。

 公開された映像では、助産師が「おめでとうございます!」と赤ちゃんを取り上げ、安田美沙子も喜びで目を輝かせていた。その表情に苦痛の色はなく、むしろ「いきなり出てきた」と驚いた様子。安田は生まれたばかりの我が子を抱き、「かわいい」と目に涙を浮かべながら背中をさすっていた。

 安田美沙子は無痛分娩について「産む瞬間は全然痛くなくてすごく楽に産めた」とコメントし、助産師たちに勧められて、出てくる赤ちゃんの頭を触る余裕があったそう。

 前述のように出産映像が放送されるたびに“賛否両論巻き起こる”のは定番で、今回も出産VTRには、一部視聴者が「出産の映像をTVで流さないでほしい……正直気持ち悪くなった」「出産の瞬間まで売り物なんだ」と嫌悪感を示している。過去にも新山千春(37)や森三中の大島美幸(38)、クワバタオハラのくわばたりえ(41)、あばれる君の妻などが出産映像を公開してきたが、視聴者からは「感動」と「嫌悪感」両方の反応がある。

 しかし、さまざまな意見があがることを踏まえても、安田美沙子の出産映像は、必要だっただろう。今回、彼女が公開したのは、無痛分娩の出産映像だったからだ。海外では一般的な無痛分娩だが、日本ではいまだに浸透していないのが現実であり、出産を控えた妊婦にとって選択肢にも入らない地域が多い。現状、日本で無痛分娩を行うための体制が整っている産科の医療施設は限られている。もちろんそこには、地域医療の予算や人手が足りないことや、少子化傾向に歯止めが利かず分娩施設が体制を充実させるのに二の足を踏む状況などもあり、一概に「どこの施設でも無痛分娩を」という話ではないのだが。

 ただ実際の出産映像に限らず、ドラマなどの出産シーンでも「苦痛を乗り越えて母になる」という描写が美談として描かれ、無痛での出産は「痛みを感じて産まないと母親としての自覚が生まれない」との偏見を持つ人も多い。合理性よりも“通過儀礼”に重きを置くのか、「無痛分娩の母親は子供への愛情が希薄」と明らかな色眼鏡で見たり、痛みに耐えてこそ母親になれると唱えたり、特に出産育児界隈には精神論が蔓延りがちだ。帝王切開もまた、「残念なもの」として長く扱われてきた。

 一部報道では、明らかなヒューマンエラーによる無痛分娩中の事故を、”無痛分娩のリスク”として不安を煽ることもある。現在、無痛分娩の主流となっている硬膜外鎮痛法は、麻酔が適切に使われている限りは、特別にリスクが高いとは言えない。無痛分娩には痛みでパニックを起こすことなく落ち着いて産める、産後の母体回復に有効などのメリットがある。また、「日本産科麻酔学会」によると、母体がお産の痛みに耐えている時は、赤ちゃんに届く酸素量が減るという陣痛のリスクも報告されているが、こちらはあまり知られてはいない。いずれにしろ出産はノーリスクではなく、どのような医療行為も絶対に安全とは言い切れないことは、自覚しておきたいところだ。

(ボンゾ)

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