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知識を平等に共有することがたいせつ。『人生にゆとりを生み出す 知の整理術』著者pha氏が希望を感じる、これからの社会

【この記事のキーワード】

 グラットンは書いています。

「望ましい働き方の未来を切り開けるかどうかは、どういう人たちと出会うか、どういう自己再生のコミュニティを築けるかによって決まる」

 自身の生活や働き方のベースにコミュニティの存在があるphaさんのライフスタイルは、まさに〈第2のシフト〉そのものではないでしょうか。

 ご自身の最新著書『人生にゆとりを生み出す 知の整理術』(大和書房)に書かれているような勉強法を趣味・楽しみとし、未来の働き方を実践しているphaさん。実際、執筆や複数のシェアハウス運営などphaさんのワークライフは充実しています。なによりご本人が心穏やかで幸せそうなのが素晴らしい。phaさんは静かにこう語ります。

「人生に絶望したり、生きてるのが嫌になることはないです」

 phaさんには最後にもうひとつ「未来の日本に希望はあると思いますか?」と質問してみました。

困っている人がいたら、支援する

 彼の答えはこうでした。

「希望、あるんじゃないですか? 経済成長じゃなくて僕みたいな人間が自由に生きられるかどうかという面で、ですけど。20年、30年前と比べたら、お金を稼がなくても助け合いでやっていける良い社会になってきていると思います」

 「ギークハウス」という名称でシェアハウスを営むphaさんは、ギークと呼ばれるプログラマーやコンピュータに詳しい人々のネットワークを築いていることで有名です。その世界では昔から互いに助け合いシェアをする精神が根付いているそうです。

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インターネット上には「シェア」の精神がある。Photo by Promazly Products from Flickr

「Linuxのようにプログラミングも全部共有してシェアをしようという動きは、ギークのあいだではずいぶん昔からあるんです。だからかもしれませんが、もし生活に困っている人がいたら、できる範囲で支援物資をさっと送る人が僕の周りには多いですね」

『〜知の整理術』には、

「僕がもっている能力は……たまたま身につけることができただけだ。……たまたまもらったものだからこそ、こんなものは1人で独占するものじゃないし、多くの人に共有されるといいなと思っている。知識は人を自由にする。そして、知識は誰のものでもなく全人類で共有されるべきものなのだ」

という文章があります。私はこの一文に心打たれました。

「知」を分け合う

 啓蒙主義の時代はあらゆる知識に金以上の価値があり、知識すべてが人類への祝福とされていたそうですが、そのスピリットをこの一文に感じました。

「僕が知識は共有されるべきという考えになったのは、ネットが好きだったからです」

 phaさんは言います。

「知識は誰にでも開かれるべきという啓蒙主義の思想が、今もネットのおかげで進行していると思うんです。ウィキペディアもそういう思想で作られていますし、スマホでググれば誰でもある程度のことはわかるというのは大きいです。ネットのこういう姿勢は美しいと思う」

「本当に人類を平等にしようとしたら、知識の平等化からやるべきだと思いますよ。お金を平等にするのはむずかしいけど知識だったら簡単にできる」

 冒頭でphaさんはチベットの高僧のようだと書いた私の気持ちが少しお分かりいただけたでしょうか。私も失職したり持病を抱えたりして途方に暮れたときの乗り越え方はいつも「まず知識を集めること」でした。ネットの情報に命を救われたと感じたことも一度や二度ではありません。

 phaさんのお話や『人生にゆとりを生み出す 知の整理術』の精神に触れ、今までの方向性のまま未来へと続く幸せへの道を模索していけばいいのかもしれない、という感覚を得ることができました。

みなさんも一度『人生にゆとりを生み出す 知の整理術』を手に取って、未来型の働き方で幸せをつかむヒントに触れてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

pha(ファ)
1978年生まれ。大阪府大阪市出身。現在東京都内に在住。京都大学を24歳で卒業し、25歳で就職。できるだけ働きたくなくて社内ニートになるものの、28歳のときにインターネットとプログラミングに出会った衝撃で会社を辞める。以来シェアハウスで毎日ふらふらしながら暮らしている。シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人。著書に『持たない幸福論』『しないことリスト』『ひきこもらない』『人生にゆとりを生み出す知の整理術』などがある。 Twitter:@pha

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