連載

イライラして子供に拒絶される負のループから抜けたい。「今」の子育てを楽しくするにはどうしたらいい?

【この記事のキーワード】
育児日記

(C)wezzy

 母親とは実に損な役回りだ。1歳7カ月の息子を育てている私は、いま切にそう思っている。

 息子は父親のことが大好きで、私も含む家族3人で居るときはほぼ父親にべったり。朝も決まって父親をバシバシ叩いて起こすし、ちょっとグズったりした時なんかも父親に抱っこを要求したりする。

 父と子が仲睦まじいことで私は助かるのだが、なぜか母親である私を息子が全力で拒否することも出てきたのだからたまらない。息子に手を振り払われたり、ギャン泣きして父親を指されたりすると、絶望にも似たような思いが湧いてくる。

 日常的に息子を世話しているのは私だし、身の回りのこと(衣類の洗濯や片づけ、食事の用意や保育園の支度etc)だって全部、私の担当だ。朝から夜まで仕事で家に居ない父親を、わずかな時間にここぞとばかりに求めるのは一向に構わないけれど、何も私を拒否しなくたっていいじゃないか。器が小さいようだけど、こうなると「そうか、じゃあ勝手にしな」といったフレーズがつい口をついて出てしまう。

 父親である夫はやけに余裕のある表情で苦笑い。私や息子に対しネガティブなワードを口にすることは一切ないけれど、その余裕が余計ムカついて背をそむけてしまう。

 「1歳半 母親を嫌う」で何回ググったことか。そこには私と同じような思いを抱えている・もしくは抱えていた母親たちの声がズラッと並んでいて、経験談を語る多くの人は「大丈夫。ママが一番に決まってます」というフレーズの慰めを寄せている。

 個人的にはそれも何だか気休めみたいでしっくりこない。

 というか、「本当はママが一番好きなんです」とか「そのうちママにべったりになりますよ」とか書かれると、子育て=母親がするもの=いつか子もその有難みがわかる……という価値観ありきの肯定だから、受け入れがたい。

 そもそも父親だって親なのだから、別に母親である私の方が優位に立っていたいわけではない。拒絶されるのがつらいだけだ。「パパよりママが好き!」じゃなくったって良い。「ママよりパパが好き!」とハッキリ言われたら確かにショックだけど、両親とも親として「大好き」であってほしい。

 なのにどうして今、息子は、母親の私にばかり反抗し、拒否までするんだろう。

我が家の悪循環

 これは発達医学うんぬんで証明されていることではなく、あくまで私自身が「こうなんじゃないか」と考えをめぐらせて辿りついた予想だ。息子としては、父と母をこんなふうに見ているんじゃないか?

「パパはいつも遊んでくれる、構ってくれる。ママは僕が泣いてても放っておくことがよくある」
「パパはいつも優しい。ママは怒ってばかり」
「大好きなパパが居る、遊びたい! ママはつまんない、別に今いらない」

 夫はたぶん一度も息子を本気で叱ったことがない。乱暴なことをしても、食べ物を粗末にしても、寛容な態度で受け止めている。それに遊びはいつもダイナミック。好奇心の塊である息子にとって、いつもアクティブで目新しい遊びに誘ってくれる父親はもう魅力そのものだろう。

 一方で母親である私はどんな風に見えているんだろうか。

 父親に比べて、余裕がない。般若みたいな顔つきに見えているのかもしれないが、こちらも仕事→保育園の迎えをして帰宅後はもう毎日大戦争なのだ。夜泣き対応&早朝の弁当作りから始まってただでさえ夕方にはフラフラなのに(これを言うと“先輩ママ”から「当たり前です攻撃」を食らうかもしれないけど)、息子の荷物整理や夕食の支度・風呂掃除をノンストップでやらなきゃならないし、前夜夫がサボった皿洗いから始めなきゃならないし、この間も息子はキッチンゲートを破壊する勢いでガンガン叩きギャン泣きするけど宥めてもいられない。

 この夕食前の戦争タイムに、息子から秒刻みで嫌われて(?)いっているかも、とか思うと、皿を洗いながら夕べサボった夫が心底恨めしくなったりもする。

 正直、この時間とてもつらい。息子の泣き声(責める声)を食らい続けると、いつの間にか理性を上回るドロドロしたものが瞬間的に噴出して、私は大声を出したりキッチンの棚を蹴ったりしてしまうことがある。

 恐怖を感じた息子はさらに号泣する。何とか食事作りを終え、息子に食べさせようとすると「いらない」とこれまた全力で拒否された。理性を保って笑顔を作りいったん状況をリセットしようとするものの、せっかく作った食事を思いきり床に投げつけられて、もうやってられない。

 この後も風呂や寝かしつけを「闘う」わけだが、途中で父親である夫が帰宅すれば息子は玄関まで走って行って「パパ~!!」と飛びつく。そんなことされたらさぞかし嬉しかろう、さぞかし可愛かろう、そこからは誠心誠意向き合った父子の「遊び」「戯れ」が始まり、息子はこれ見よがしに「ママ、居ない!」とか言い始めるのだ。

 ムカついた私は、息子が寝たあと夫に苛立ちをぶつける。完全に負のサイクルだ。

 帰宅してすぐ、夫のように息子と遊んであげられればいいけど、私がそうしたらご飯は食べられないしシンクの皿は汚いままだし風呂は沸かないし部屋は散らかり続けてしまう。前にも書いたけれど、私は「やれることを“今”やっておかないと、明日には追い付かなくなる」と思うから、家事を放置できない。

 結果的にイライラしてしまい、息子はパパにべったり。負のサイクル。

1 2 3

小出 愛

1981年生まれ、学生時代から10年以上スポーツ一本、卒業後はスポーツトレーナーとして第一線を志すも、いろいろあってパチ屋店員に。そこで旦那と出会い、結婚、2016年に第一子出産。プロレスは知らないけど猪木が好き。ママ友ヒエラルキーには入りません。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

[amazonjs asin=”4822258572″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本)”]