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木村拓哉「ネットに負けない」宣言…参考にしたい宝塚ファンの貞淑なSNSマナー

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『SODA』/3月号(ぴあ)

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 キムタクが1ミリでも動けばニュースが騒ぐ。ここのところ木村拓哉(45)の動向がたびたび報じられている。118日から主演ドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)がスタートしたため、毎週のように撮影時の内幕をスポーツ紙およびネット媒体が記事化し宣伝するのだ。

 たとえば『武器を持たず丸腰で警護対象者を徹底的に護るボディーガード役』である木村の息子役、田中奏生くんが12歳の誕生日を迎えたため、スタッフはじめ共演者に祝福されたという記事。自宅でのシーンのリハを終えたところで、スタッフと木村がバースデーソングを歌い、サッカーボール型のサプライズケーキが登場。そして木村から「中学に入ったらシャープペンシルを使えるようになるらしいので、ちょっと早いけど……」と、高級シャープペンシルを贈られたという内容だ。これ、意図的に「こんなことが撮影現場であったので、記事にしてね!」と情報を渡さなきゃ記事にならないだろう。

  また別の記事では、同ドラマ撮影中にエキストラの中から不審者を見破ったという身辺警護人さながらのエピソードも。118日放送の『ワイド!スクランブル』(同)に出演した際に木村自身がこう語った。

 「撮影をしていて、たくさんのエキストラの方がいらっしゃる中でこの人なんかちょっと、違う空気を醸し出してるなという方がいらっしゃったので、ちょっとお話を伺ったら実は紛れ込んでいて。全く関係のない方が塀を乗り越えて入ってきてた」

  その人物は、一度目に見たときと二度目に見たときとで服装が異なっていたため、木村が声をかけたところ「忍び込みました」と白状したというのだ。番組ではスタッフから「ボディーガードの素質がある」と太鼓判を押されていた木村だった。

  こうしたキラキラエピソードの一方で、『週刊新潮』(新潮社)は、同ドラマに特別な撮影マジックが使われていると嫌味記事。記事によるとそれは木村の身長のためで、公称178センチの木村だが、SMAP時代は183センチの香取慎吾(41)と並ぶと「明らかに10センチほど違う」ことや、木村本人が身長のことを気にしているため、いつしかシークレットブーツ疑惑まで囁かれるようになったというのだ。また身長を気にする木村が今回共演する江口洋介(50)、斎藤工(36)はそれぞれ180センチを超えており、菜々緒(29)も170センチ超え。そのため本作では、長身の共演者と対峙するシーンで、背の高さがわからないように遠近法を使う、共演者が座っているときは木村が立つなど、身長差が出ないように様々な技術を駆使して撮影しているというのである。

  こうしたネガティブな話題の方がスレッドが勢いよく伸びるのがネット掲示板というもので、「もうキムタクを自由にしてやれよ!」「短足過ぎて可哀想」など、物悲しい感想が散見されるが、そんな誹謗中傷を木村自身がエゴサして読んでいるとしたらどうだろうか。

 116日発売『サンデー毎日』(毎日新聞出版)のインタビューで「今、負けたくないことは?」と質問された木村は「ネットですかね」と答え、「今では強大な力を持っているという状況じゃないですか。ネット上の言葉の羅列し放題みたいなことに対しては負けたくないなって思います」と語ったのだ。短足シークレットブーツは疑惑じゃないだろなどの言葉を羅列し放題な状況を、木村は目にしている可能性がある。それだけではない。SMAP解散騒動の渦中、木村のことを「裏切り者」「ユダ」と呼び、妻・工藤静香まで断罪する罵詈雑言がネット上には溢れていた。そうしたものも含め、木村は「負けたくない」ということなのだろう。

  ネットには「芸能人だから何を言ってもいい」「有名人だから批判されるのも当然」という空気が蔓延している。書き込む方は気楽な気持ちかもしれないが、名指しで批判された当人は少なからず悲しい気持ちになることは当然である。そうした想像力を働かせず、もしくは見て見ぬ振りをして、ネットで有名人disが今日も繰り広げられている。

 木村もしかりだが、最近では、木村の後輩である嵐・二宮和也(34)との交際の噂が囁かれたフリーアナウンサーの伊藤綾子(37)に対するバッシングは相当なものだ。木村の場合も、『BG』放送中に「キムタク」「木村拓哉」のワードを入れてSNSで「劣化した」等の投稿をするユーザーは少なくないが、彼女を嫌悪しているらしい一部のユーザーたちは「死ね」とまで書くのだからいくらなんでも限度を超えている。

 伊藤は21日放送『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)、3日放送『石ちゃん&美女軍団あ来た!よかった!秋田新幹線満腹グルメツアー』(同)に立て続けに出演しており、どちらも秋田県出身であることから同県の魅力を紹介する姿が見られた。放送を受けて、二宮ファンかつアンチ伊藤綾子のTwitterユーザーたちが書き込んだ内容はかなりひどいものだった。

 「伊藤綾子は確実に二宮和也の汚点だし、秋田県民の私からすると秋田の汚点でもあるから秋田出身って言わないでほしい」「伊藤綾子でてきてもう吐きそう 伊藤綾子がはなしたときのテロップ黄色にしないで」「なぜ秋田代表が伊藤綾子なの?(笑)老け腐ってるし地元秋田捨てたくせに」「伊藤綾子ほんと死んで」……匿名のつもりかもしれないけれど、身元特定されたら賠償請求されるレベルでは?

 二宮ファンにももちろん理屈がある。これだけ嫌悪されるのは、伊藤がブログで交際をにおわせるかのような記述をたびたびしていたことに由来しており、現在もラジオ番組『YKKAPpresents伊藤綾子の窓辺でブランチ』(TOKYOFM系)のサイト内にある日記「アヤコノマド」を更新するたび逐一ファンが匂わせてる!と騒いでいる。東京で雪が降ったことを綴った日記では、改行の都合により縦読みで「にの」と読める箇所があったことから「見つけてしまった匂わせ!これ絶対わざとだぁ~!」と興奮するファンも出る始末だが、ここまでくると苦笑いだ。

  ジャニーズおよびその関連人物に関しては、アンチによるdisがネット上で多々見られるが、そこから一線を画しているのが宝塚である。1月からスタートした昼ドラ『越路吹雪物語』(テレビ朝日系)は元宝塚の越路吹雪の物語ということもあってか、元月組トップスター大地真央(62)、元雪組トップスター音月桂(37)、元雪組トップ娘役咲妃みゆ(26)、元花組トップ娘役花乃まりあ(25)などOGが多数出演しているほか、宝塚の革命児と呼ばれた元花組トップスター真矢ミキ(54)がナレーターを務めるなど、宝塚ファンにとってはかなり豪華な布陣である。

 このドラマに関する感想ツイートは「花乃まりあ様出演(はーと)」「ゆうみちゃん、花乃ちゃんの女優デビュー作見届けられてとても嬉しいです」「花乃ちゃんでてるんだけど、めちゃくちゃかわいいね?」など平和な内容で溢れかえっている。宝塚ファンはTwitterでdisらない。Facebookの宝塚関連コミュニティでも、そうしたdisは見受けられない。誰が統率しているわけでもないが、宝塚歌劇団を公にdisるなど許されないというファン界隈の不文律があるのだ。というか、絶賛する内容しか許されない。

 SNSを離れ、2ちゃんねるや一部のブログでは(いずれも投稿者は匿名)、宝塚に関する賞賛だけではない感想を読むことができる。ただ、そこには「ほんと死んで」レベルの書き込みはない。あくまでも批評や批判であり、誹謗中傷を目的としていないのだ。宝塚ファンはネット上で“disる場所と内容をしっかり区別する人が多いのかもしれない。

  宝塚ファンに倣う必要もないだろうが、ネット上に悪口を書き込む前に、その対象が目にしてどんな気分になるかを、一度立ち止まって考えた方が良い時代に差し掛かっていることは確かである。横浜DeNAベイスターズの投手・井納翔一選手(31)が、妻をネットで中傷した20代のOLを名誉毀損で訴えたというニュースも先日大きく騒がれたばかりだ。

  たとえば伊藤綾子を許せない気持ちがあるとして、それをわざわざ誰もが閲覧できる場所に書き連ねることは妥当なのか。その書き込みは、本人から訴訟を起こされて勝てるか? よく考えてみてほしい。ネットだから何を書いてもよいという認識はそろそろ改めた方がよい。

(鼻咲ゆうみ)

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