連載

日本の女性は職場でフェアに扱われていない。学歴やスキルの差だけでは説明できない男女の扱われ方の違い

【この記事のキーワード】

日本の女性は職場でスキルを活用されていない

日本の女性は職場でフェアに扱われていない。学歴やスキルの差だけでは説明できない男女の扱われ方の違いの画像4

 図3は、調整前と調整後の男女間の職場での数学スキルの活用格差を示しています。

 図が示すように、調整前に比べれば改善してはいるものの、調整後も日本の女性のスキルは、先進国で最も活用されていないグループに入ります。調整後にスキル活用格差が半減したということは、現状の男女間のスキル活用格差の半分程度は女性のスキル水準が低かったり、男女の職業や雇用形態の差によるということですが、半分以上はそれ以外の要因で、職場で女性のスキルが活用されていないということになります。

 私は専門が途上国の教育なので、日本の職場で何が起こっているのか完全には理解していませんが、スキル水準や職業・雇用形態以外の要因によって男女間で職場におけるスキルの活用に差があるのであれば、それは恐らく職場に女性差別があるためではないかなと思います。もし職場で男性と比べて自分の能力が活かせていないと思う女性達がいた場合、そう思う理由の半分程度は雇用形態や教育問題によるものなのですが、残りの半分以上は男女差別である可能性があるのです。

あとがき

 私はネパールの農村で生まれた低カーストの女の子と、日本の東京で生まれた富裕層の男の子が、将来机を並べて働くような日が来ると良いなと思って、日本を離れて、国際機関に就職し、途上国の子供たちのために10年ほど働きました。そして今も、将来さらに活躍するためにアメリカの大学院で研鑽を積んでいるところです。

 日本を離れてから数多くの優秀な日本人女性の同業者に出会いましたし、日本人の国連職員は女性の方が多いと言われています。そういった方々と話をしてみると、日本の職場が合わなかった、日本では活躍できると思えなかった、という声を耳にすることがあります。もちろん優秀な人が世界平和や貧困撲滅のために身を粉にして働いているのは頼もしくありますが、それと同時に、優秀な人が国内に留まってはそのスキルを活用できないからという理由で日本を飛び出してしまったのであれば、自分も日本人としてもったいないなと感じてしまいます。

 女子教育と女性の労働問題は鶏と卵の関係だというのは何度も言及していますが、就職してもその能力を活かせないのを女の子たちが敏感に感じ取っているのであれば、それはやはり日本の女子教育の拡充にとって大きな足かせとなってしまいます。

 現在の日本では一億総活躍が謳われているようですが、日本国民一人一人が持つスキルを最大限発揮できる社会になると良いですね。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。