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未婚の母を選択した浜田ブリトニーさん、「子どもに人生を捧げる」ということ

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浜田ブリトニーブログより

浜田ブリトニーブログより

 220日に、漫画家の浜田ブリトニーさんが自身のブログにて、妊娠8カ月であること、「シングルマザー(未婚の母)」という道を選んだことを発表しました。そして同日、都内で開かれた葉酸サプリメント『リタホワイト ベイビーファイン』のイベントに登場し、そこでも未婚で出産することに対する決意を語ったほか、これまで「自称ハタチ」と非公表にしていた実年齢についても「オープンにしたい」と現在38歳であることを公表。イベントに合わせて私生活をさらけだしています。

 昨年6月、子宮がんの一歩手前であるとされている「子宮頸部高度異形成」の診断を受け円錐切除の手術を受け、それがきっかけで子どもが欲しいという気持ちが強くなり、その一方で高齢になると妊娠確率が低くなることを懸念していたという浜田さん。イベントの席においても「手術は成功したけれどもう出産できないかもしれないという思いがすごく強かったので、今、できてすごく幸せです」「本当に無事に授かれてすごくうれしいです」「幸せです、めちゃくちゃ」と終始笑顔で、何度も「幸せ」と話していました。病気、手術を乗り越えての妊娠、そして安定期に入り、間もなく出産を迎えるとなれば、喜びもひとしおなのでしょう。

 浜田さんによると、生まれてくる子どもの父親にあたる男性については、一般人で年下の「普通」の人であり、以前は同棲し結婚も考えていたが、結婚に対する価値観が違っていたため昨年秋に同棲を解消したそうです。とはいえ、別々の道を進むことにお互いが納得しており、結婚には至らなかったものの関係は円満で、生まれた子どもとも会ってもらうつもりでいるとのこと。ちなみに相手は、2013年に婚約発表をして2014年に婚約解消をした男性ではなく、別の男性。

 また浜田さんは今後について「私が自由に生きてきたので子どもにも自由に好きなことをやらせてあげたい」、「私はシングルマザーで未婚なんですけども、それでもやっぱり笑顔の絶えない楽しい家庭にしたい」「まずは子どものために人生を捧げたい」と語り、仕事についても「ママ(タレント)枠としてもちょっと特殊なママだと思うので、その枠に入り込めたら」「シングルマザーに勇気を与える存在になりたい」と意欲を見せていました。

 筆者自身も、未婚で出産することを選び、子どもはもうすぐ3歳になります。世の中には望まずして未婚の母になった方もいると思いますが、筆者の場合どちらかというと “自分のエゴ”でその道を選んだ類に入ります。正直なところ、私の妊娠を知った誰もかれもが祝福・歓迎・応援ムードだったわけではありませんでしたが、しがらみが少ない分、私も子どもも“理想の家族”のテンプレに捉われずに自由にやれるんじゃないかという期待を持って出産に臨みました。だから、子どもに自由に好きなことをやらせてあげたいという浜田さんの言葉には、共感を覚えます。

 私も妊娠中は、「子どもと一緒なら、ひとりでは耐えられないことにも耐えられる」とか「子どものためなら頑張れる」とか、思っていました。そしてその気持ちは、「責任」よりも「愛情」由来の感情だと考えていました。当時、根拠もなくそう思っているつもりはなく、「子どもを産みたい、育てたい、会いたい」という気持ちが根拠、と思っていたと記憶しています。無事に子どもが生まれ、子どもとの二人暮らし(実家は遠方)がはじまって1年が経つ頃、私ははっきりと悟りました。

 子どものために自分のすべてを捧げるとか、自分の人生を捧げるとか、無理。

 0歳児の頃は、「あ~、この先どうしよう~」という不安が強かったので、私自身が子どもの存在に依存していた節があります。が、子どもとの生活に慣れ、育児の合間にネットサーフィンしたりテレビや動画を見たり、学生時代の友達と会ったり、他のママと話したり、たまの一時保育に映画鑑賞したり、他のシングルマザーがどんな仕事でどんな生活を送っているのかを知る機会もあったりして、「この先」のことを真剣に考えた時。自分のこれまでの行き当たりばったりで投げやりな生き方を振り返り、「自分が何をやりたいのか、ずっと目を背けていたんだ」ということに気づきました。

 どうせ子どもと食べていくのに働かなきゃいけないんだったら「本当にやりたい仕事をしたい」と、フリーランスでライターという仕事をすることを選びました。収入には波があり経済的に安定しているとは言えないし、原稿に行き詰まっているとイライラしたりもするし、子どものためにはもっときっちり安定した仕事を探すべきという意見もあるかもしれませんが、今の私は「子どものため」に仕事を変えようとは思えないのです。私の場合、未婚で子どもを産んだことによって、自己実現欲求が呼び覚まされたようで(子どもを産んで自分の自由時間は確実に減ったというのに)、先日炎上した「あたしおかあさんだから」の歌詞とはむしろ真逆でした。

 そんな自分語りはさておき、浜田ブリトニーさんが「子どもに人生捧げる」と言い、私が「子どものためなら頑張れる」と思ったその背景には、母親はナチュラルに我が子を愛せるという思い込み、ひいては母親は子どもに人生を捧げるべき、という規範意識があるのではないでしょうか。「あたしおかあさんだから」炎上の理由の一つもそこに有ったと思うのです。被害妄想と言われるかもしれませんが、シングルマザーや未婚の母というのは子どもにハンデを与えている分、尚更、子どもに人生を捧げる覚悟があって然るべき、という「呪い」も強いように感じています。パパがいない分、ママが愛情をたっぷり注がないとね、と。

 しかしながら、浜田さんには自由に生きてきたという自負があるわけで、だから生まれてくる子どもにも自由に生きてほしいと願っています。イチ未婚の母としては、「母」になった浜田さんが、自由かつしたたかに生きる「母」の背中を見せてくれるのではないかという勝手な期待もあります。彼女は、テンプレ化した泣ける「おかあさんだから」を演じはしないだろうと、思うのです。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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