
生き延びるためのマネー/川部紀子
こんにちは! ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。
「メルカリ」この言葉を知らない人はほとんどいないのではないでしょうか。スマートフォンのフリマアプリの代名詞と言っていいですよね。知っているだけでなく、利用している人も増えています。
インターネットを通じて業者から個人へ売るのではなく、個人から個人へ売ることが急拡大しています。
ひと昔前から「ヤフオク」はありましたが、こちらは主に男性がパソコンを利用してCDや古いレコードなどを販売する画を想像する人もいるかと思います。でも、「メルカリ」はむしろ、女性がスマホを利用して洋服や靴などを販売する画が思い浮かぶのではないでしょうか? 実際に、スマホの普及により、女性の利用者はどんどん増えているようです。私自身も昨年は「メルカリ」と「ラクマ」で5万円ほどの売上がありました。
さて、今回のテーマはフリマアプリ、特に「メルカリ」と注意点について考えてみましょう。
「捨てる」から「売る」へ
断捨離、片付けブームは定期的に訪れますが、じゃんじゃかとモノを捨てることに対して「もったいない」の感情はありませんか? 「自分は使わない/使えないけれど、まだまだキレイなのに……」とか、「思い出深いモノをゴミにはしたくない」とか、「新品なのに」といった場合に、ポイっと捨てられる人ばかりではないと思います。
そこで、捨てるのではなく、売って相手が喜んでくれたらどうでしょう。「少しのお金も入ってくるなら手放せる」ということも多々あるのではないでしょうか。私自身、タンスと靴箱の肥やしになっていた洋服と靴を売って相手の方に喜んでもらえた上に、少しのお金が入ってとても嬉しい気持ちになりました。売られたものも日の目を見ることができるわけで、悪いことはないくらいです。
ブランドものでもなく、しかも、15年以上前の服まで喜んでもらった時には、ブームに乗ってポイポイ捨てなくて本当に良かったなぁ、と感じました。その後も、母が間違えて買ってしまった業務用のコショウや化粧品、使用済みの記念切符、無料であちこちからもらった企業名入りのボールペンも買ってくれる人が現れました。
まず、やってみる! 注意点は?
さっそく、いらないものを売ってみようと思った人は、まずスマホに無料のアプリをダウンロードしてアカウントを作ってください。そして、どんなものが売られているのか見てみると、そのアプリがどのように使われているのかがわかると思います。
大切なのは、まず、やってみることです。新品でもそうでなくても、「まだ使える」不要品はありませんか? そんな不要品を売りに出してみましょう。
「メルカリ」の場合、「出品」ボタンを押すと、写真を撮るという選択肢が出てきます。どうすれば売れやすくなるかなど考えず、いつも写真を撮るように撮影してください。次に商品名と説明文を入力します。ここでも売れやすい紹介方法などは深く考えずにシンプルに書いてみましょう。悩んでいては進みません。テクニック的なことは少し慣れてから考えましょう。
その後、カテゴリー、商品の状態、配送料、配送の方法、発送元の地域、発送までの日数を入力することになりますが、全て選択肢から選ぶだけなので簡単です。
ただ、配送料を誰が負担するのか、発想の方法に、コンビニやクロネコヤマトを使う「らくらくメルカリ便」、郵便局を使う「ゆうゆうメルカリ便」や普通郵便などがあるので少し迷むかもしれません。発送の方法画面を開くと料金や解説が書かれているので読んでみましょう(ちなみに発送料は出品者負担が定番化しつつあります)。
そして、最後に販売価格を入力して「出品する」をタップします。
販売価格については、アプリが画像やカテゴリーから判断して売れやすい値段などのガイドも自動的に出してくれるので参考になります。何せ自由ですし、後で値下げもできるので、後悔のない値段設定をしましょう。他のフリマアプリもほとんど変わらないので、誰でもできると思います。
注意点は、10%の販売手数料(メルカリの場合)や、送料の読み間違えで、売上金額が赤字になってしまうことです。それと、例えば密閉されていて中身の確認ができない化粧品などは、新品未開封でも劣化して使用できないかもしれないので注意しましょう。トラブルのもとになりかねません。
お金に関する注意点
売上金を自分の口座に振り込む手配をすることも可能ですが、そのお金をポイントに変えて自分も購入者になるという方法も用意されています。
ポイントに変えて購入者になる場合、無駄遣いし過ぎては意味がないので、「絶対どこかで買う」ものを検索しましょう。私は、自分が使っている化粧品が定価よりも安く売られている場合に購入します。相場よりも高くないかどうかは、他の通販サイトで確認しています。
また、確定申告を心配する方もいらっしゃるようです。仕入れて売る、つまり「商売」と見なされると確定申告という問題が絡んできますので、仕事、副業として考える段階になったら、個人事業主としての手続きが必要です。ただ、自分の不要品を販売する場合は、売上金額が多くても確定申告や税金の心配をしなくても大丈夫です。
時代は変わっていますし、自分がやらなくても自分の子どもがやる可能性は高いです。また、消費税増税、給料や退職金や年金の減額が待ち構えている時代ですから、少しのお金でもバカにできません。不要なものをただただ捨てるのではなく、お金を生み出す新しい発想を受け入れることも大切ではないでしょうか。
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『お金が儲かる新片づけ術~ 1カ月3万円のお小遣いも!~』宮軒直子(三笠書房)