子宮系女子の魔女的文化祭!? おまたフェスティバルに見る女性性崇拝のひどさ
連載 2018.02.27 16:00
レンチンしてカイロのようにして使う〈ぬか福来ろ(ふくろ)〉の販売ブースでは、こんな販売トークをかまされました。
「仕上げのここ(袋の1辺)は、手縫いで仕上げているんです。だから、ヒーリング効果が高いんですよ~」
8~10cm程度の直線縫いでヒーリング効果が発生するなら、戦地へ赴く家族の無事を切望しながら縫われた〈千人針〉や、魔除けの意味を持つ中央アジアの荘厳な刺繍で、死者が生き返ってもおかしくなさそうです。
子宮温活グッズとして定番の〈おまたカイロ〉を入れる専用のポケットがついているという布ナプキンには、POPにこんな文がありました。
「美人は知っている! 子宮を温めるといいこと尽くし」
美女の皆さ~ん、ご存じですか~? 世の女性たちへ脳内でコール&レスポンスする妄想をしながら眺めていると、人魚のイラストがプリントされているポケット付き布ナプを、どの柄に選んでいる女性を発見。
おかっぱ頭の人魚というレアそうな柄を「かわいい!」と選ぶ女性に、売り子はこう説明していました。
「これは座敷童みたいな、お守りかな♪」
完全に「おぱかっぱ頭」からのイメージだけだろ、それ。そして座敷童も、股を住まいにされてはお怒りだわ。ただの、言葉遊びでしょうけど。
「女性だけのパワースポット=子宮を内側から温めます」と謳った、火山天然鉱石が練りこんである〈股温めパッド〉の名前もすごかった。〈子宮ほっかりんパット〉ですから。生理用ナプキンにも使えると説明書きがありますが、天然鉱石シートとやらはフェルト製(それをオーガニックコットンで挟み込んである)。使い捨てではないようですので、繊維が絡み合っているフェルトにしみ込んだ経血を想像すると、雑菌が繁殖しそうで白目になります。
安定の、ふんどし推し
パンフレットに記載されている「こんな女神様におすすめ」という項目には「尿漏れが気になるお世代」「授かり希望」「産前産後」などが書かれていますが、股にちょっと保温性の高いパッドを1枚あてることでそれがどう妊娠等にいい影響を与えるのか、謎。
「体験談」の項目では「早期閉経と言われたが、これを着用したら生理が来た!」「着け初めはデトックスで、中にたまっているものがたくさん出てきた」などが語られていますが、それって健康効果というよりむしろ何かが炎症を起こしているのでは~!? と再び白目。
麻製のふんどしはこんな説明書きが飾られていました。
なるほどぉ~ってなるかーい
・霊的なエネルギーが得られる!
・日本人の精神性を高めていた腰肚(こしはら)文化を現代に復活させることで、すぐにキレない肚(はら)のすわった理想の社会を実現できるかもしれません。
何だか高尚すぎてついていけない私はきっと、おまた意識が低いのでしょう。
最高潮に「なんだこりゃ!」と思ったのは、〈子宮きゅんスプレー〉という名のフラワーエッセンスです。「本来の創造力を取り戻したいとき」「きゅん♡としたいとき」「子宮の感覚になりたいとき」に、下腹部や体の周りにスプレーして使うそうです。手のひらサイズのボトルが、4900円……うーむ。
会場で販売されていた甘酒をいただきながら(これはとても美味しかった)物販を冷かしたあとは、施術コーナーへ。
最近チラホラ耳にする「股コリ」解消のマッサージが受けられるコーナーがあるではありませんか。股コリとは、肩こり同様に、〈恥骨、坐骨、骨盤、仙骨、尾骨周辺の血流が悪くなって硬い人が多い! 股周辺は特に放置されがち! だからほぐして健康になりましょう〉と謳われている新物件。