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稲垣吾郎がブログに綴る、甘美で優しく清潔な文章を味わう

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稲垣吾郎ブログより

 稲垣吾郎(44)のオフィシャルブログが、相変わらず美しい。昨年9月にジャニーズ事務所との契約終了後、11月よりアメーバ(サイバーエージェント)で開設したオフィシャルブログだ。ちなみに草なぎ剛はYouTubeチャンネル(チャンネル登録者数67万人)、香取はインスタグラム(フォロワー144万人)を開設。3人ともTwitterアカウントも使用している。

 ジャニーズ事務所も今年に入って徐々に「ネット解禁」の兆しを見せており、これまで全面NGだった所属タレント写真のネット媒体掲載を一部許可するようになった。ただしタレント本人がSNSで公式に情報を発信することはまだ難しい。タレントからのメッセージは、ファンクラブ会員だけが閲覧できるサイト内に投稿されることはあれど、「お金を払う価値のあるもので、タダでばら撒くなんてありえない」のだろう。

 そう思うと、元SMAPである彼らのSNSアカウント開設自体、ファンにとっては感慨深かったであろうが、稲垣吾郎のブログは実際、「お金を払う価値のあるもの」と言えそうなクオリティなのだから驚く。主に季節の自然や生花について取り上げることが多いが、日常的な感覚を生活感ゼロの状態で描き出している。ミステリアスな雰囲気が特徴的な稲垣吾郎だが、比較的頻繁に更新しプライベートを垣間見せるようになっても、全くそのイメージを毀損しないどころか、かえって強めているのではないか。つまり、自分のイメージを崩さず、しかしファンが見たかったに違いないであろうポイントを押さえてブログを更新している。

 たとえば125日の「君のいる場所。」。稲垣が二十年来の友人でファッションデザイナーの黒田雄一氏、黒田氏の子どもたちと、夕方の海浜公園で遊んでいる様子が綴られているのだが、温かみのある写真と文章が読者を癒す。稲垣吾郎の意外な一面とも言えるブログ記事だが、悪い方向に作用するものでは全くない。

 15日の「寒い夜には」では、「飲み切れなかったワインやリーズナブルなものでも楽しむことの出来るホットワインは寒いこの季節におすすめです」とホットワインの作り方を紹介。「昨日飲み残したワインと材料を鍋に。香りが台無しになってしまうので沸騰直前には必ず火からおろしましょう」と端的にコツを説明し、最後は出来上がったホットワインのグラスを片手の自撮り画像を載せ「さ、温まりましょう。あ、すっぴん ごめん明日も素敵な一日を。おやすみなさい」と、ファンサービスも忘れない。

 東京に雪が降った22日に更新した「温度差が心地よい」は、優雅で上品な文章が印象的だった。ただ雪が降ったことを稲垣吾郎はこんなに美しく表現するのかと。「東京では朝から雪が降っています。空から舞い降りて来る雪を眺めているとむしろ自分が上昇しているかのような錯覚に陥るのは僕だけでしょうか」。しかし無思慮に大雪を喜ぶわけではなく、「そんな事言ってられませんものね。午後には降り止むそうなので少し安心。皆様 お足元にはくれぐれもお気をつけ下さい」と一般読者を気遣う。「言ってられませんものね」、この一言だけでも漂う品格がすごくないだろうか。

 他方、227日の「撮影中!」では、映画『半世界』の撮影で訪れた漁港で、ダウンジャケットに身を包み「お爺ちゃんの日向ぼっこみたい。。」「漁港が似合わない・・」と綴り、笑いを誘っている。ユーモアも忘れないのだ。

 ブログからはタワーマンションの高層階に位置するであろう広く清潔な部屋で、シックかなインテリアと草花やアートに囲まれたゆとりある暮らしぶりがうかがえるが、GROW20184月号(宝島社)では、『一緒に暮らしたらこんな感じ? 稲垣吾郎の「大人男子ライフ」』と題したページに登場し、自身の生活感覚について語っている。

 週に1回欠かさず花を飾り、家具やスキンケアアイテムはそれぞれ愛用品があり、「ふだんの生活」は「顔や体、自分の表現にも表れてしまうので、常日頃からきちんとしていきたい」という稲垣吾郎は、この先同居人が現れたら、どう暮らしが変化するかという質問に「お互いに歩み寄りは必要ですが、僕の感覚に合わせてもらうのも、けっこう気持ちよくなれるんじゃないかな? というちょっとした自信はあります」と答えている。彼が一人で(あるいは友人と)謳歌している幸福な空間に招き入れられたとしたら、それは確かに夢見心地で気持ちよさそうだ(天国のように寝心地のいいベッドやふわふわのタオル、美味しいご飯に美しい食器! そんなイメージである)。

 よく独身男性は生活が荒れがちだといい、稲垣吾郎のように身の回りの快適さを保てる(保とうとする)男性は独身貴族と呼ばれるが、結婚しようとしまいと自分一人の居場所くらい、いや自分一人の居場所だからこそ、快適に整えたいものだ。要するに、稲垣吾郎のブログは文章や写真が美しいだけでなく、そんな風に背筋が伸びる気持ちにもさせてくれる媒体だということである。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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