メルカリがフリマアプリ業界独走、 背景にヤフオクへの不信感?

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ヤフオクの粗雑な詐欺被害対応に提訴。進化を続けるメルカリが独走確定!? の画像1

メルカリ 公式サイトより

 2月19日に弁護士・法律ポータルサイト「弁護士ドットコム」が配信した記事『ヤフオクで架空住所使った詐欺被害、ヤフーから「確認不十分」と見舞金払われず提訴』が非常に興味深いものだった。記事によると、神奈川県在住の会社員男性がネットオークション「ヤフオク!」で13万6千円の時計を“かんたん決済”で購入したところ、入金後に出品者と連絡が取れなくなったそう。男性はすぐにヤフーに対して詐欺被害を報告したが、「いったん完了した支払い手続きのキャンセルおよび、弊社からの返金はできません」と返されてしまったという。

 その後、男性が弁護士を通じてヤフーに出品者の住所等の開示を求めたところ、登録されていた住所は自治体の住民基本台帳に記載されていない上、出品者と別名義の銀行口座が代金受取口座とされていることが判明した。

 男性は警察に被害届を提出し、ヤフーが設ける「トラブルお見舞い制度」に基づいて詐欺被害の補償を申請したのだが、ヤフーからは男性側の注意力不足を指摘するつれない返答が届いた。これを受け、男性は「本人確認が不十分なままアカウントを開設させ、利用を許容していたことはヤフーの注意義務違反にあたる」などとしてヤフーを提訴。慰謝料を含む約70万円の損害賠償を求めているという。

 この出来事に対するネット上の意見は、「どう考えてもヤフーにも非がある」「ヤフオクは高い手数料なのに何も対応しない」「保証しないヤフーも詐欺だ」とヤフーを非難する声が優勢だ。また、「メルカリより運営の腰が重い。何を言っても反映されないのがヤフオク」などフリマアプリ「メルカリ」と比較する声も多数あがっている。

 メルカリがここ数年で急成長したことは誰もが知るところだろう。2013年7月にサービスを開始し、2016年の年度決算で黒字化。メルカリはアプリ利用者同士の金銭のやりとりの際、いったん運営を経由するといった特徴を持っており、ヤフオクとはその点で大きく異なる。2013年以前からヤフオクのサポート体制に対して利用者から不満はくすぶっており、メルカリが急激にユーザー数を伸ばした背景にはヤフオクへの不信感もあったのかもしれない。

 2月26日より、楽天がフリマアプリ「ラクマ」と「フリル」を統合してメルカリを追走しようとしているが、業界としてまだメルカリが独走状態にあることは確かだ。さらにメルカリは福岡市内で自転車のシェアサービスを始めるなど新規事業に挑戦する他、これまで控え目だった新卒採用数も急増させ、能力のある学生には能力給を支給すると発表している。破竹の勢いを見せるメルカリに、ヤフーと楽天は立ち向かえるのだろうか。

(ボンゾ)

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