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広瀬すずが「低視聴率女優」と呼ばれないために…理想的な宮崎あおいの選択と集中

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広瀬すずインスタグラムより

 第41回日本アカデミー賞の授賞式の最優秀助演女優賞は、是枝裕和監督『三度目の殺人』に出演した女優・広瀬すず(19)が受賞した。32日に東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われた授賞式で、殺人被害者の娘を演じた広瀬に対し是枝裕和監督は「色々な監督さんと良いお仕事をされたんだと思います。すごく肝が据わったといいますか、大きく育っている。ついていくのが精一杯でした」と賞賛を送り、司会の西田敏行(70)も「初々しいのに風格がある」と広瀬を高く評価。『海街diary』以降、是枝監督との2度目のタッグで見事に賞を勝ち取り、女優としての展望はますます明るい……と思いきや、主演ドラマ『anone』(日本テレビ系)の視聴率は今クール最下位を争うほど落ち込んでいる。なぜなのか。

 『anone』の脚本を手がけたのは『Mother』(同・2010年放送)や『最高の離婚』(フジテレビ系・2013年)、『カルテット』(TBS系・2017年)といった人気ドラマを送り出した坂元裕二氏。古くは一世を風靡した『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)も坂元氏の脚本作品だ。軽妙な会話劇も得意な坂本氏だが、日テレ水曜22時枠では重い雰囲気の漂う社会派ドラマを制作してきた。『カルテット』が高く評価され、その次作ということで注目を集めていた『anone』。広瀬の10代最後の主演ドラマということもあり、放送前から注目度は高かったのだ。

 ところが初回から視聴率は9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、その後、7.2%、6.6%、6.4%、5.9%、5.5%、4.9%と下がり続けている。安定することなく下がり続けるということは、一度は見た視聴者が離れてしまっているということだ。もちろん主演の広瀬すずが視聴率低迷の原因ではないだろうし、その責任をひとりで負う理由はない。だがここまでの大爆死において、ドラマ界での広瀬の評価は、映画界とは異なり、腫れ物レベルになりつつあるようだ。2019年前期放送の朝ドラ『夏空』のヒロインに広瀬が決定したことを昨年11月に発表していたNHKもこの状況を危惧しているとも囁かれている。いずれもただのネガティブキャンペーンで、実際のところはテレビ業界でも「広瀬すずを起用して作品づくりがしたい」というスタッフやスポンサーはまだ多いのではという感触があるが……。

 しかしタレントの「イメージ」は侮れない。今はタレント側(芸能事務所側)が発信するイメージとは別に、ネット上で構築されていくイメージも無視できないほど膨らんでいる。日本映画界での最優秀助演女優賞の報もかすむほどに『anone』視聴率低迷が毎週のようにネットニュースで報じられていることは、読者および視聴者、つまり一般消費者にマイナスイメージを植えつける。数年前には、バラエティ番組に出演するたびにネットにアンチが増殖するという現象も発生していた。そのきっかけとなったのは、2015年に出演した『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)だ。広瀬は番組の定番人気コーナー「食わず嫌い王」に登場し、映像作品を作るのに欠かせない技術スタッフらに対して「何で自分の人生を、女優さんの声を録ることに懸けてるんだろう」と発言。「スタッフをバカにしている」と大炎上し、放送直後に「誤解を与えるような発言をした」と謝罪するという騒動があった。

 こうなってしまったのはひとえに事務所の戦略ミスであろう。たとえば宮崎あおい(32)は売り出し当初こそ民放ドラマの出演もあったが、2002年の『ケータイ刑事 銭形愛』(BS-i)以降は明らかに仕事を選び、主な活動の場を映画と広告に絞っている。テレビドラマはというと、NHK朝の連続テレビ小説『純情きらり』と大河ドラマ『篤姫』、そしてWOWOW制作もの。一方で映画は年間3作品以上が公開されるほど出まくり(2006年は6作品!)、映画界での地位を確固たるものにしていく。

 他方、プライベートでは2007年に結婚した高岡蒼佑(現・高岡奏輔・36)が20117月、Twitterでフジテレビに対して「過剰に韓流を推している」と批判したことが大騒動となり、高岡は当時の事務所を離れて独立、同年11月に二人は離婚した。離婚後に高岡が、宮崎の不倫を告発する騒動もあったが、宮崎は2017年、かねてより噂のあったV6・岡田准一と再婚した。ゴシップネタの台風の目のような存在でもある宮崎だが、しかしこれらの情報が彼女の築き上げたイメージを大きく毀損せず、ネット上でもアンチの存在感が大きくないのは、活動分野が安定しているからだろう。バラエティ番組にもほとんど登場せず、露出するのは映画、NHKWOWOWのドラマ、そしてCMと一貫している。民放連続ドラマの主演は避け、ある程度顧客が限定される映画とWOWOW、朝ドラや大河ドラマという国民的作品の二極にうまく仕事を割り振っていることがわかる。まさに選択と集中。

 広瀬すずという名は、もう全国にすっかり広まった。まだ19歳の若さではあるが、すでに彼女は「売り出し期」ではなく(宮崎あおいでいえばとっくに『ケータイ刑事』の時期を超えている)、仕事を選ぶ時期だ。広瀬(の事務所)も、20歳からの広瀬のイメージ戦略について熟考しているだろうが、偉大なる先輩に倣う“二極化”もアリではないだろうか。
(鼻咲ゆうみ)

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